-
DAILY
- Aug 23, 2016
2020年東京オリンピック開催も決まり、日本の魅力を世界に伝える動きがますます活発だ。
日本が再注目され、世界にプレゼンされる日本文化。ファッションやアニメカルチャーなどの「クールジャパン」とは一味違った日本の魅力を、ある田舎から発信する村民がいる。
その村民、元々は外国人。「村の美しい景色と村民の温かな心に日々満たされる中で、村のために自分ができることをしたい」。そう思い立ち、新潟の県北にある雪深い農村・関川村の魅力を世界に伝える英文情報誌『Sparkle(スパークル)』を作るのは、村に住んで8年になる川﨑 Patty(カワサキ・パティー)さん。生まれは、太平洋を挟んで海の向こう側、アメリカのアリゾナ州だ。
日本語と日本の文化を学びに来日したというパティーさん。結婚後、移住した新潟県での田舎暮らしを通して、日本の田舎がもつ魅力を発見。助け合いの精神や自然と調和して生きる術などを「田舎力」と命名し、海外にも伝えたいと思ったのだそうだ。
情報誌では村で活躍している人物への本格的なインタビューに加え、関川村の歴史や食の紹介記事、美しく広がる田舎風景の写真などを掲載。写真やデザインなどはその道のプロフェッショナルが担当し、インタビューは地元の学生が手掛けるなど、プロとアマチュアのコンビが活躍。それぞれが村人の視点に立ち、村に対する熱い思いや日本の農村文化の魅力を伝えることにこだわっているそうだ。
「英語なんて読めないし…」と躊躇してしまう人も大丈夫。本誌に出てくる英文は中学3年までに習った文法を使用、中学校で学ばない難しい単語や表現は新出単語として各ページ下に紹介されているから英語の勉強にも役立つこと間違いなし。
さらに嬉しいのが、子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで楽しめるよう和訳された別冊も付いてくること。海外に発信する情報誌だが、みんなにフレンドリーなのだ。
『Sparkle』第1号は国内各地に加え、アメリカ・カナダ・イギリスなど海外の日本文化関連ミュージアムや日本大使館で配布、反響を呼んだ。現在第2号制作のため資金を募っている。
日本のとある小さな村の魅力が海の向こう側へ。日米ふたつの文化が染み込んだ彼女が届ける『Sparkle』は、きっと世界に「田舎力」というもうひとつのクールジャパンを教えてくれる。
▶︎オススメ関連記事
・都会に住みながら、村人になる。 自分の"村"を作ろう。“TIME TO PAY RICE TAX”!
・牡蠣のオムレツに、パイナップルジャムの焼き菓子… 「あの旅行で、何食べた?」をまとめるだけのフード・ジン 「Things I Ate: Taiwan Edition 2015」
▶︎▶︎週間人気トップ記事
・政府に音楽を禁じられた国。あれから30年、たった一人の男が懸ける「トルコ音楽シーン」再興
・潰れるインディ・レコード店の一方で盛り上がる、NYCの“中古レコード店”。それぞれが取ったレコード・ビジネス生き残りの術
—————
Text by HEAPS, editorial assistant: Shimpei Nakagawa
いいね!しよう