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Rettyが自社基盤をマルチクラウド化、世界展開へ開発・運用を柔軟に

2016/08/23
玉置 亮太=日経コンピュータ (筆者執筆記事一覧
「RETTY GLOBAL PLATFORM」の概要
(出所:Retty)
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 実名のクチコミによるグルメ情報サービスを運営するRetty(レッティ)が、新たなクラウド基盤を使ったサービス開発を進めている。異なるベンダーが提供する3種類のクラウドを組み合わせた自社独自の開発・運用基盤システムを、今夏に稼働。同システムを使い、世界に向けたサービスを今秋にも提供する。新基盤の特徴は、クラウドの種類や拠点となるデータセンターを、サービスの内容に応じて選択できること。柔軟な開発体制を築き、事業の世界展開に備える。

 新たな開発・運用基盤システムの名称は「RETTY GLOBAL PLATFORM」。米アマゾン・ウェブ・サービスの「Amazon Web Services(AWS)」、米マイクロソフトの「Microsoft Azure」、米グーグルの「Google Cloud Platform(GCP)」の三つのクラウドサービスを組み合わせたものだ。さらにRettyが自社で構築・運用するプライベートクラウドも管理できる。

デプロイ期間、数日を10分に

 新基盤システムの特徴は、「複数のクラウドの機能やリージョン(データセンターの稼働する地域)を、一元管理できるようにした」(樽石将人CTO=最高技術責任者)ことだ。「オーケストレーション」と呼ぶ管理機能を使い、各クラウドを使うための利用者IDやネットワークの設定、コードを本番環境に移すデプロイ処理、リージョンの選択などを、同一の画面から実行できる。

 例えばIDに関しては、利用者が設定した共通IDと、各クラウドを使うのに必要な設定項目を対応付けておき、共用IDを一度入力するだけでそれぞれに入力し直す手間を省ける。

 デプロイ作業についても、複数のクラウドを使い分ける際の工数を大きく削減できる。仮想的なOS環境を管理・運用するオープンソースソフトウエアの「Docker」を使ったデプロイ作業を、開発者がクラウドの違いを意識せずに自動化できる仕組みを設けたからだ。

 新たに開発した機能やアプリケーションを本番環境にデプロイする際、開発者はまず「Dockerイメージ」を作る。Dockerを使って動かすプログラムやミドルウエアをひとまとめにしたファイルのことだ。次いで開発者は作成したDockerイメージを基盤システムに登録すると、指定したクラウドへ自動的にデプロイされる。この自動化機能により、これまで手作業で数日かかっていたデプロイ期間は10分ほどに短縮できた。

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