現状、日本は格差社会が根付いています。
それらがすべてダメとは言いません。じゃあ、格差のない社会主義国がいいのか?と問われれば私はそれに対しては否定的な見解を持っているからです。しかし、格差は自身の努力や才能の差で開いたとしても、出来れば……格差をあまり与えたくないところがあります。
そうです。子供たちです。
現在の日本の「子供の貧困率」は年を追うごとに増加傾向にあり、最新のデータでは6人に1人の子供が「貧困状態」にあるとされています。経済の格差はそのまま如実に教育の格差に現れることは皆さんもご存じの通りです。
私は大人になった後で、もしくは努力不足によってついた格差はその全てを否定するつもりになれません。しかし、生まれた瞬間から、能力のある子供が経済的な困窮によって、十分に能力を伸ばす機会に恵まれないことは、そもそも国家として損失だと思うのです。
大阪の子供たちに限って言えば、全国平均のそれを大きく上回る「5人に1人」の子供が貧困状態です。これは日本全国でワースト2位の数字。はっきり言って最悪です。
そんな貧困状態にある子供達に何とか栄養のあるものだけでも食べさせてあげたい、とボランティアで活動をされてきた「こども食堂」がまもなく閉鎖されてしまう……という問題を取り上げたのですが、わずか1回およそ1万円の国からの補助金を使いながら30人近い子供たちに食事を作り続けてきたボランティアの方々こそ、本当に評価され、助けられる社会であるべきです。
日本のメディアや政治は「貧困問題」を経済の問題だと捉えがちなのですが、私が取材してきた範囲で見えてきたのは「教育」の問題ではないかと思うのです。貧困問題をお金の問題だと思っているうちは何も解決できない気がします。貧困を打ち破るのは十分な教育環境のはずです。平等な教育環境が約束され、それでも自分が怠けて努力してこなかった上に成り立つ格差は理解できない範囲ではないのですが、スタートラインが違いすぎるのはやはり違う。
大都市大阪はこれから2つ目の首都を目指す都市のはずです。このような問題こそ、最優先で取り組むべきでしょう。
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