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書房日記

2016-08-22

はてなブックマーク別館 自称愛国似非保守の言論における誤認と無責任さについて

ことの発端は、NHKのこちらの報道だった。

はてなブックマーク - 子どもの貧困 学生たちみずからが現状訴える | NHKニュース

しかし、「本人とされるtwitter」に基づいて、「報道された女子高生貧困ではない」「NHK捏造である」等々の言説が『保守速報』などインターネット上の各サイト等に出回り、遂には片山さつき自民党参議院議員NHK側に説明を求めることを言明するという事態に至っている。

このような言説、特に似非保守的サイトとしてある意味著名な『保守速報』のそれについては、既にid:hokke-ookami氏による反批判記事アニメーター志望だった母子家庭の高校生に対して、画材を購入する余裕があるから貧困ではないという保守速報は、今の日本の象徴なのだろう - 法華狼の日記がある。

私としては、どちらかと言えば政治問題として片山議員言動に絞って批判を加えることが、女子高生基本的人権の擁護の為にも必要と考えて、例えばはてなブックマーク - そろそろ貧困JKの自殺を心配すべきなどで片山議員批判ブックマークを行ってきた。

ところが今夜、かつて大要「地震時に朝鮮人井戸に毒を入れたというデマが広まるのは仕方なく、それに大騒ぎするネトウヨブサヨどもはけしからん」といった趣旨のどう客観的に読んでも基本的人権を公然と否定して恥じない言説を過去にのたまった(はてなブックマーク - 「朝鮮人が井戸に毒」に大騒ぎするネトウヨとブサヨどもに言いたい!)、自称愛国似非保守であられる小坪慎也行橋市議議員ホームページに掲載された記事はてなブックマーク - 【NHK捏造発覚】超貧困女子高生、別に貧しくなかった。【凋落するメディア】 | 小坪しんやのHP?行橋市議会議員に接した。

以下本記事では、小坪言説の妥当性について論じ、小坪市議批判に対する反批判を展開したい。

まず小坪言説を一読して気付くこととして、全くと言って良い程独自の情報が無い、まとめサイト等の言説をそのまま事実と結論として断じていることを挙げておこう。

この点については、御本人が堂々と以下のように記しているくらいだ。

不正と是正

リオ五輪もそうであるが、様々な不正が発覚した。

多くはカメラ撮影の結果だろうと推論がされている。

これも同じ話であって、恐らくは「偽装など多数あった」のだ。

ネットが黎明期などは、ひどい情報も飛び交ったものだ。

細菌では、これでもマシになったほう。

中には「CGでクイズ番組の参加者を消す」という、凄まじいものもあったが、

過去に比べればマシになりつつはある。

それだけメディアの力も落ちたのだろう。

かつては「取り上げられる」ことすらなかった。

ネットで炎上するのが関の山で、報道関係の不正・捏造に「ソースがつくことはなかった」のだ。

今回の件は、興味本位もあるのだろうが、報道でも取り上げられている。

主にネットメディアであるが、恐らく新聞以上の効果を持つ。

驚いたのはLINEのニュースにも載っており、SNSでの広がり方は凄まじいものがあるのだろう。

メディアの力の、凋落

これらの情報収集。

私はBlogにまとめただけであって、ほとんどがまとめサイト・某匿名掲示板の書き込みをベースとしている。

私の推論ではない。

情報の収集までは、ネットで各個人が行ったことなのだ。

いまはそういう時代なのである。

まるでオリンピックの「判定のカメラ」のように。

「ほとんどがまとめサイト・某匿名掲示板の書き込みをベースとしている」「私の推論ではない」とまで言い切っている。


被害者は誰か、加害者は誰か

少し真面目にも話しておこう。

私は、この子が可哀想だと思う。

加害者は「出汁に使おうとしたNHKの記者」である。

断じてネットの言論や、私ではない。

表現の自由がある以上、私は好きなことを書くし、言う。

結果として賛同もあるし、批判もある。

時にはハレーションも起こす。

それが「意思表示をする」ことなのだ。

権利はあるが、対になる義務もある。

これは先般の、よくわからない会合の場(短縮されたら意味がわからぬ、公人の会)でも述べたこと。

今回、上京するが、ワーカーズコープタクシー福岡をはじめ、「報告」してくる。

まぁ、それはいい。終わったら書こう。

こういう形で、前に出れば。

評価、評論の対象となってしまうのだ。

SEALDsだってそうじゃないか。

結局は、参加者は可哀想なことになってしまった。

就職などを含め、私の言った通りじゃないか。

徹頭徹尾、学生側に立脚して論じたのは、私だけだと思う。

彼女を被害者だと認識する方がおれば、

加害者はNHKである。

とは言え、彼女の場合は自己責任でもある。

未成年ゆえどこまで問われるべきかは迷いもあるが、

明確な政治参加である以上、年齢を口にすることは難しい。

だから子供を出汁に使うな、と。

凄まじい議論である。

この論調からすると、たとえ自身の批判に誤りがあってその結果少女の基本的人権が傷つけられたとしても、悪いのはNHKだと言うのである。

たとえ不正なり捏造なりがあったとしても、それに対する批判が誤りを含んでいて、基本的人権を侵害した場合は、その批判者が責を負うということは、政治思想とか政治家の仕事以前の問題であろう。

小坪議員は、自らの言論に責任を負わない、無責任な政治家であるという点を、まずもって批判したい。

そしてこのように、御本人がまとめサイト等をまとめただけで自身の推論もないと言い切るだけあって、この言説には独自の解釈や新情報が全くと言っていいほどない。従ってこの小坪言説における根拠を検討すると、最終的には「本人とされるtwitterのつぶやき内容」という、全く以て根拠としては薄いというか、客観的検証を欠いた要素によってしか「事実」の提示・検証が行われていない、という大きな問題が浮かび上がってくる。

そもそもこの「本人とされるtwitter」、当然のことだが取材対象である女子高生本人のものかどうか、検証を経ないといけないことは言うまでもない。著名人の公式サイトではない以上、検証抜きにこの記載内容を事実扱いをした時点でそちらの方が余程「捏造」的欺瞞なのだが、このようなあやふやな根拠によって事実関係を断定しても政治家としての資質に疑問符がつかないのが、大和魂に満ちた日本古来の伝統を尊ぶ愛国心に富んだ自称愛国似非保守の皆さんで作る世界の驚くべき寛容さというものである。

仮にこの「本人とされるtwitter」の内容が事実であったとしても、小坪議員女子高生批判には致命的な事実認識不足がある。


7800円の舞台鑑賞。

情操教育に自己投資する姿は、誉められて良いと思う。

今後も頑張って頂きたい。

ただし、極貧ではない。

(そして中古PCは買える。)


自己投資にここまで予算をかける高校生、私は偉いと思う。

それが趣味であったとしても、たいしたものだ。

否定はしない、むしろ誉める。

ただし極貧ではない。

上述のNHK報道の原文でも明記されているし、id:hokke-ookamiさんの記事でも散々論じられていることだが、


進路を選ぶ3年生の夏を迎えたうららさん。絵が好きで、アニメキャラクターデザインの仕事に就きたいと、専門学校への進学を希望していましたが、入学金の50万円を工面することが難しく、進学は諦めました。

この点が小坪議員の論評には、全く反映されていないとしか読めないのである。完全なる事実誤認であるか、もしくは小坪議員の記事で初めてこの件を知る読者に、単なる「趣味」での「豪遊」として彼女のイラストやワンピースに関する言動を紹介しようとして意図的に言及しなかった、悪質な言及なのか、いずれだろうか。

前者であるのならば、高校現代文のように「まずはしっかりと本文を全部読む」ということも身についていない残念な御方が文章を書いていると感じざるを得ないし、後者ならばもはや小坪議員こそ「捏造」を行っているのではないかと批判対象となってしかるべきであろう。

人間だれしも間違いはあるものだが、しかしその間違いも他者の「捏造」を質すための正義であると開き直る人間によって行使されると、その間違いが侵害する人権は無責任によって救済されず、二重に侵害されるということになってしまう。

小坪議員の粗雑な言動が、その無責任さと結びつくことに、基本的人権の尊重という観点からも懸念をせざるを得ない所以である。

そしてこのような小坪議員の言説の問題性が端的に表れているのは、何よりもその表題だろう。


NHK捏造発覚】超貧困女子高生、別に貧しくなかった。【凋落するメディア


今時スポーツ紙でもここまで断定調の、事実と言い切った見出しがあるだろうか。もしこのような見出しの記事を書いておいて事実誤認を含んでいた場合、相応に責任を取るのが書き手の当然の責任というものだろう。

以上、小坪議員の言説について述べたが、更に深刻なことは、小坪議員がこの記事を紹介するリプライを片山さつき議員twitterアカウントに送り(小坪慎也さんのツイート: "@katayama_s 片山先生、お久しぶりです。 市議の小坪です。私のBlogにまとめてみました。 【NHK捏造発覚】超貧困女子高生、別に貧しくなかった。 https://t.co/imCVE9Jro8 後段にまとめていますが、記者が貧困)、それを片山議員が自らリツィ−トとしたという、こちらは同じtwitterでも紛れもない、公然たる事実である(片山さつき(@katayama_s)さん | Twitter)。

このような誤認と無責任とにまみれた言説を受け入れる、「公然と批判しない」議員が存在することを、与党議員が平然と「説明」と称してNHKの番組内容に政治的な影響を与えることに躊躇しないという報道と政治の望ましくない関係と共に、改めて批判して記事のまとめとしたい。

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