中国が日本産の一部鋼材に課す関税が不当として日本が中国を世界貿易機関(WTO)に提訴していた問題で、中国は22日、敗訴確定を受けて課税措置を撤廃した。同じ内容で訴えていた欧州連合(EU)産鋼材への課税措置も同時に撤廃された。
課税されていたのは火力発電所のボイラーに使う高性能ステンレス鋼管。中国は日本製品が日本国内よりも安く売られたため、国内産業が被害を受けたとして、2012年11月に10%前後の高関税を課した。
日本は「中国製品と日本製品は競合していない」と反論。13年4月にWTOへ提訴し、昨年10月に勝訴が確定した。
WTOが出した判決の履行率は9割を超えており、経済産業省の西脇修参事官は「WTOの紛争解決制度が今回も有効に機能した。(保護主義的な傾向が強まる)新興国への抑止効果も見込める」と評価した。