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男子マラソン惨敗 宗猛コーチ「これが現状」

【陸上】リオデジャネイロの中心部を走る男子マラソンの先頭集団=リオデジャネイロで2016年8月21日、和田大典撮影

 予想通りの惨敗だった。日本代表の宗猛コーチは「全体的に力不足。これが今の日本のマラソン界の現状」と淡々と受け止めた。

 最高位が佐々木悟(旭化成)の16位で、2大会ぶりに入賞ゼロとなった。宗猛コーチが驚きを隠せなかったのは、優勝したエリウド・キプチョゲ(ケニア)のタイムが、中間点まで1時間5分55秒で、後半は1時間2分49秒と上がったこと。「日本ももっとスピードのある選手がマラソンに転向し、スタミナをつけなければ厳しい」と顔をしかめた。

 キプチョゲは25キロまで、5キロあたりのラップタイムは15分31秒〜45秒のスローペースだったが、25キロ以降は、15分2秒、14分25秒、14分44秒と上げていった。一方、日本は、左アキレスけんの故障を抱えていた北島寿典(安川電機)が早々に脱落。好調だった石川末広(Honda)が25キロ付近で遅れ、日本勢で最高の自己記録を持つ佐々木も27キロで置き去りにされた。1キロ3分ペースを維持するのが精いっぱい。少しでもペースが上がれば振り落とされた。

 キプチョゲはもともとトラック種目がメインのランナー。いずれも5000メートルで、04年アテネ五輪銅メダル、08年北京五輪銀メダルを獲得した。1万メートルの自己記録26分49秒02。また、今大会の男子マラソン3位のゲーリン・ラップ(米国)も、12年ロンドン五輪1万メートルの銀メダリストだ。日本代表3人の1万メートルの自己記録はいずれも28分台とスピードで劣る。高速化の進むマラソン界で勝負できる顔ぶれではなかった。

 国内のスピードランナーに若い時からマラソンに挑戦してほしいと思っている宗猛コーチだが「我々が首に縄をつけてやらせるわけにはいかない」と悩む。日本陸連の強化委員会は、ナショナルチームの権限を強めて合宿に参加させ、若手のマラソン適性を確かめたいという。しかし、各実業団はチームごとの強化を望み、合宿の強制参加には反対だ。日本代表の麻場一徳監督は「ノウハウや経験を共有するため、チームジャパンとして集結しないといけない」と話すが、2020年東京五輪に向け、一枚岩になることができるだろうか。【小林悠太】

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