こんにちは、arto総研のToshiroです。いつもお読みいただきありがとうございます。今回はマニエリスムを代表するパルミジャニーノを紹介します。
パルミジャニーノ
パルミジャニーノ(1503-1540年)はマニエリスムを代表するイタリアの画家です。体を引き延ばし、くねらす表現は後の画家に大きな影響を与えました。
1503年パルマに生まれます。パルミジャニーノの名で親しまれていますが本名はフランチェスコ・マッツォーラ。パルミジャニーノとは「パルマ人」の意味です。
幼い頃に父を亡くし叔父に育てられます。画家の一家であったため叔父から絵について学びました。典型的な早熟で早くから地元パルマを拠点に活動を行います。同時期に活動していたコレッジョと共同で制作を行ったり、叔父と共に重要な仕事を熟したりもしました。
1524年ローマへと移ります。ローマでは盛期ルネサンスに活躍した3大巨匠、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロの作品に触れました。特にラファエロから大きな影響を受けています。
しかし27年に起きたローマ略奪から逃れるためボローニャに移り、30年には故郷パルマに戻りました。
晩年は錬金術の研究に没頭し、37歳という若さで死去。死因は赤痢だったのではないかと言われていますが、精神的に不安定だったという指摘もあります。
作品紹介
『凸面鏡の自画像』
ローマで高い評価を受け話題となった作品です。凸面鏡に映し出されたゆがんだ手などの表現からは画家の高い技術が伺えます。ちなみにこの絵を描いた当時のパルミジャニーノの年齢は21歳、まさに早熟です。全然関係ないですけど、イケメンですね(*‘∀‘)
『聖バルバラ』
バルバラはキリスト教の聖人です。キリスト教が禁じられていた国の裕福な家庭に生まれます。求婚者から遠ざけるため、バルバラの父は娘を塔で生活させます。塔の中でキリスト教の信仰に目覚めたバルバラは三位一体を根拠に窓を3つに増やします。信仰に気付いた父は激怒し殺そうとしますが、岩が2つに割れ、聖霊がバルバラを逃します。しかしそれを見ていた羊飼いの密告により捉えられ拷問を受けました。神の加護により傷は治りますがその後殉教、父は雷に打たれ死にました。
『アンテア』
様々な議論がありますが、モデルは不明。制作の意図もいまいちはっきりとしまていません。謎めいた印象がありますが、それ故美しさを引き立てているようにも思えます。パッと見、まっすぐ正面を向いているように見えますが、わずかながらに反時計回りのひねりが与えられているのですが、それが独特の印象を出しています。
『長い首の聖母』
パルミジャニーノの傑作。マニエリスムの特徴がよく現れた作品でもあり、マニエリスムが解説される時にその例としてよく紹介されます。幼子イエスを抱きかかえる聖母マリアの体はS字を描くように曲がった形で表現されており、その曲線は美しいの一言。本作はローマからパルマに戻ってきた後に描かれたものなのですが、ラファエロの影響を伺うことが出来ます。
『ルクレティア』
ローマ史に登場する伝説上の女性、ルクレティアを描いた作品です。ルクレティアに関する作品は数多くありますが、その中でも本作は有名です。以前、ルクレティアに関する絵画を紹介した記事を書いたのですが、よくよく考えたらこの作品を紹介していなかったのでコチラで掲載しておきます。
スライドショーもありますよ。
今回もお読みいただきありがとうございました。
Toshiroでした。それでは、また。
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