08月22日 19時10分
医薬品や農薬などの開発に使われる有機化合物の合成を促す「触媒」を次々と生み出した、中部大学の山本尚教授が、世界的な化学者に贈られるアメリカの「ロジャー・アダムス賞」を受賞することが決まりました。
ロジャー・アダムス賞の受賞が決まったのは、愛知県春日井市にある中部大学の山本尚教授(73)です。
山本教授は、有機化合物の合成を促す「触媒」の研究に取り組み、特に「ルイス酸」という物質を利用した触媒を使って、目的の物質を効率的に作り出す新たな手法を確立しました。
この手法は、触媒に有害物質や希少な金属を使わずに済むという特長があり、医薬品や農薬などの開発過程で広く利用され、有機化合物を合成する主流の方法となっています。
ロジャー・アダムス賞は、アメリカ化学会が2年に1度、世界的な化学者に贈っていて、日本人の受賞は平成13年にノーベル化学賞を受賞した野依良治さんに続き2人目です。
中部大学によりますと、ロジャー・アダムス賞のこれまでの受賞者29人のうち11人がノーベル賞を受賞しているということです。
受賞が決まったことを受けて、山本教授は「今後もいい仕事を積み重ねなければいけないという責務を感じる。生涯にわたって人がやっていないことをやり続けたい」と話しています。
ロジャー・アダムス賞の授賞式は来年4月にアメリカ・サンフランシスコで行われます。
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