僕もそのサラリーマンの一人である。暴風雨の中、全身びしょ濡れになりながら会社に向かう自分が、滑稽でたまらなかった。
なぜ身の危険を感じてまで出社するのか。
会社につくといつもの月曜日が始まった。
窓の外で台風が木々をバキバキと薙ぎ倒す。猛威を振るう台風がシンゴジラに見えた。
その姿は荒ぶる神と表現された。あんな災厄の中で普通に働くサラリーマンを映画館では笑い飛ばしていたが、今回の台風直撃でも会社に向かう僕たち。夜、駅のホームに駅員が用意した毛布に座り込むたくさんの帰宅困難の人々がいた。
なぜ、こんな日にまで外出をするのかなあ?
都心を台風が直撃すればこうなることは分かっていたはずである。
会社には泊まる人が出たし、このぶんだと駅でたくさんの人が寝泊まりするはずだ。
そんな姿を見て、僕たちサラリーマンはきっとシンゴジラが現れても普通に出勤してしまう『サラリーマン人間』なんだと思った。
そして帰宅ラッシュの中で記事を書く僕は、きっと『ブログ人間』。
なんだかなぁ、である。(425字)