最近では、都市の郊外にロースター(焙煎屋)をかまえるカフェやロースターが増えてきました。
大型の焙煎機を使おうと思うと、都市部ではなかなかスペースを取れないことが原因の1つかもしれません。そんな流れは東海地区でも起こっており、名古屋市内から周辺の都市へと移ったお店があります。
その名も、「R ART of COFFEE(アールアートオブコーヒー)」。最近は東海の雑誌だけでなく、全国紙のカフェ雑誌でも取り上げられるようになり、全国から注目を浴びているロースターの1つです。
名古屋から長久手へ。工場のようなカフェ&ロースター
そんなアールアートは、もともと名古屋市千種区の本山駅近辺で非常に小さなカフェをやっていたお店。それが、オーナーが変わって大きな投資をしたおかげか、非常に立派なコーヒー焙煎工場が長久手市にできました。
ほんとに立派というかデカい。コーヒーの焙煎"工場"という表現が似合う、無骨ながらもスタイリッシュな店舗です。雑誌に取り上げられるようになったためか、駐車場には入りきれないほどの車が何台もとまっています。
駅から徒歩で来た私は、そんな渋滞中の駐車場を横目に入店。店内には、めちゃくちゃ開放的な空間が広がっていました。
入口左には広々とした開放的なレジ。左奥には焙煎機。右奥ではコーヒーセミナーをやっており、右手前にはソファ席とそこでくつろぐ人たち。
いや、ほんとにすごい。日本じゃないみたい。
というか、マジでお客さんが日本人じゃないですよね!?いつの間にか長久手市はグローバルな都市に進化していました。驚きです。けっこうお客さんがいるのに、全然せまっ苦しくないのは、席同士のスペースが取られており、天井が高いからでしょう。
名古屋市内でこんな店舗は作れないですね……。郊外ならではのお店です。
焙煎機を眺めながら1人で飲むスペシャルティコーヒー
さてさて、そんな開放的な空間に見とれてばかりいないで、目的のコーヒーを味わうことにしましょう。
アールアートでは、レジでオーダーをするとコーヒーを席まで運んでくれるスタイル、いわゆるキャッシュオンデリバリースタイルを採用しています。スタバなんかと同じですね。
個人的には、このオーダーのときのスタッフさんの接客がすごく良かったです。別に特別なことはしないのですが、昔のスタバと言えばイメージは伝わるでしょうか。笑顔で、話し方も丁寧で、目を見て話してくれる感じ。
フルサービスじゃなくても、きちんと"サービスしてるな"ってのが伝わるのは、本当に良い接客指導をされているのだなと感じます。レジで気持ちよくコーヒーをオーダーしてからカウンターにつきます。
そして面白いのがこのカウンター。三日月形にラウンドしたカウンターなのですが、その中心にはプロバットの大型焙煎機が置かれています。そう、こちらではコーヒー豆を焙煎している姿を見ながらコーヒーを飲むことができるのです。
「カウンターでは店員さんと話したい」という方には向いていないかもしれませんが、私のように「1人でゆっくりコーヒーを飲みたい、けれど手持無沙汰」という人間にはぴったり。目の前でコーヒーが色づいていく姿を見ながらコーヒーを飲むのもオツなものです。
今回私が飲んだのは、エチオピアのイルガチェフの浅焼き。ほのかな甘さとほどよい酸味、そしてハーブ系のフレーバーが香るフルーティなコーヒーです。うん、空間の解放感とコーヒーの華やかさがよく合います。
ボーっとすること20分ほど。もう少し長居したかったのですが、今回は他に用事もあるので、これでおさらば。名残惜しい瞬間です。せっかくなので、今回はコーヒー豆を知人へのお土産で買っていくことにしました。
雑誌でも大注目を浴びるだけあって、本当に良い空間でした。名古屋の中心地から少し離れたベッドタウンにありながらも、駐車場がたくさんの車で埋まっていたのもうなづけます。
1人でもカップルでも楽しめる良い空間だと思うので、興味のある方はぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。コーヒー豆の販売もしているので、豆の購入だけでもおすすめですよ。
ちなみに、最寄駅はリニアの杁ヶ池公園駅になるのですが、徒歩でアクセスすると10分ほどかかってしまいます。タクシーもとまっていないので歩くことを覚悟しておきましょう。車でのアクセスが一番便利ですが、駐車場が満車のこともあるのでご注意を。
R ART of COFFEE(アールアートオブコーヒー)
愛知県長久手市蟹原907
0561-63-7776
10:00~17:30(L.O.17:00)
定休: 火曜・水曜