蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【サッカー】ネイマール男泣き ブラジル五輪サッカー初の金2016年8月22日 紙面から
◇リオ五輪 男子決勝 ブラジル1−1(PK5−4)ドイツ男子の決勝は過去に銀メダル3度、銅メダル2度の開催国ブラジルがドイツと1−1のまま延長を終え、PK戦を5−4で制して初優勝を果たした。3位決定戦はナイジェリアがホンジュラスを3−2で退け、銅メダルを獲得した。 ブラジルは前半にFWネイマール(24)=バルセロナ=が直接FKを決めて先制したが、今大会初失点を喫して追い付かれた。後蹴りのPK戦は相手の5人目が失敗し、直後にネイマールが成功させた。 ◆批判振り払った両膝と頭を地面につき、祈るようにネイマールは泣いた。5人目のキッカーとしてブラジルに悲願の金メダルをもたらすPKを沈め、「人生で最高の出来事の一つ。夢がかない、母国を誇りに思う」と歓喜に浸った。 先制点もネイマールだった。前半26分に自ら倒されて得た28メートルの直接FKを鮮やかに決めた。観戦に訪れた五輪3大会連続3冠を達成した陸上男子のボルトの前で、勝利を確信したかのように“ボルトポーズ”を披露した。 ワールドカップ(W杯)最多5度の優勝を誇るサッカー王国にとって、五輪は全世代を通じて唯一手にしていないタイトルだった。五輪では3度決勝に進出していたが全て準優勝。ネイマール自身も2012年ロンドン大会で銀メダルに終わっていた。今回は6月の南米選手権を棒に振ってまで自国開催の五輪にこだわり、ついに悲願を成就させた。 1次リーグでは2試合連続スコアレスドローで敗退の危機にさらされた。批判の矢面に立たされたネイマールは、元ブラジル代表ジーコ氏から「主将にふさわしくない」と酷評されたが、この日は「批評家たちは自身の発言を引っ込める時だ」と言ってのけた。 王国には二つの悲劇の歴史がある。1950年W杯で優勝が懸かったウルグアイ戦に敗れ、衝撃のあまり死者も出た“マラカナンの悲劇”と、14年W杯準決勝でドイツに1ー7と惨敗した“ミネイロンの悲劇”。因縁の相手にリベンジを果たし、66年前の悲劇の舞台を歓喜で包んだ。 表彰式ではおなじみの「100% JESUS」と書かれた白いハチマキを巻いて誇らしげに笑った。6万3707人が詰め掛け、カナリア色に染まったスタンドでは「世界王者!! 私はブラジル人で、それが誇りだ」の大合唱がいつまでも響き渡った。 (山本直弘) PR情報
|