無理心中か 41歳母、手首に傷
22日午前5時50分ごろ、福岡県須恵町須恵の民家で、この家に住む3〜10歳の子供4人が死んでいると父親の淵真佐夫さん(39)から110番があった。首を絞められたような痕のある子もいたという。同居する無職の母親(41)も手首に傷があり、県警は母親が無理心中を図ったとみて、容疑が固まり次第、殺人容疑で逮捕する方針。
県警によると、亡くなったのは建設作業員、淵さんの子供で須恵町立須恵第二小5年、俊介さん(10)▽同1年、美唯(みゆ)さん(6)▽同、美菜さん(6)▽美桜(みお)ちゃん(3)−−の4きょうだい。4人と両親の6人暮らしとみられ、美唯さんと美菜さんは双子。
淵さんが21日午後11時ごろに1階の居間で就寝し、朝起きると隣の和室の布団の上などで4人が亡くなっていた。室内にいた母親は左手首に切り傷があり、「包丁で切った」と供述。一時病院に搬送されたが、命に別条はなく、県警が事情を聴いている。自宅の浴室からは血のついた包丁も見つかった。
母親は19、20の両日に自ら110番をしてきており、県警が事件との関連を調べている。
現場はJR香椎線須恵駅の南東約500メートルの住宅街。近くに住む男性会社員(47)は「午前6時ごろにサイレンの音で目が覚めて外の様子をうかがうと、『私も死にたい』という女性の叫び声や泣き声が聞こえた。普段はけんかの声など聞いたことなかったので、驚いた」と話した。
高齢の女性は「双子の子が公園でおそろいの服を着て仲良く遊んでいるのを見た。かわいくて元気いっぱいだったのに」と涙を流し、別の女性(41)も「1カ月くらい前に俊介君とうちの子がプールに行ったが、お母さんも子供も特に変わった様子はなかった。信じられない」と驚いていた。【宗岡敬介、平川昌範、佐野格】