たとえ時の権威が認めずとも、後世の人々は本誌の価値を認めてくれるはずだ。内心「薬漬け」「手術三昧」に疑念を抱いていた医者たちが、患者の熱い訴えに応え始めた。
週刊現代を医者に見せる患者が急増中
関西に住む70代の男性から、本誌にこんな手紙が届いた。
「私は6年前に脳梗塞を発症し、それ以来、高脂血症薬のクレストールを飲み続けていました。しかし、飲み始めて1年くらいすると、舌や口の中が痛むようになった。食欲も落ち、口腔外科や耳鼻咽喉科に行ったのですが、『どこにも異常はない』と言われるばかりでした。
そんな中、7月に週刊現代の記事でクレストールのことを読みました。『唇や口の粘膜に障害が出る人もいる』ということだったので、私は雑誌を持って、かかりつけ医に相談してみました。
幸い、かかりつけ医は『じゃあ、いったん止めてみよう』と言ってくれた。すると、飲むのを止めてまもなく1ヵ月になりますが、ウソのように痛みが消えたんです」
男性は5年にわたり、他の医者にも口の痛みを訴え続けたが、取り合ってくれなかった。「『薬の影響かもしれない』と指摘してくれる医者は一人もいませんでした。あげくの果てに、ワイパックスという精神安定剤を処方されたこともあります」というから、ひどい話だ。
これまで9週にわたって、本誌は薬と手術にひそむ知られざるリスクを詳報してきた。どのマスコミも報じなかった、医療の「タブー」を知った患者が病院に殺到し、医療現場が着実に変わりつつある。患者の要望に応じて不要な薬を減らしたり、デメリットの大きな手術を取り止める医者が出始めたのだ。