はてな営業部の西川です。
先日、営業部長の高野から、営業部の歴史についてのエントリーがありました。
私からは、営業部のメンバーが具体的に何をやっているのかをご紹介したいと思います。
はてなに入るまで
はてなで何をやっているかの前に、まずは、はてなに入る前に何をやっていたかをご紹介したいと思います。
新卒で大手企業グループのウェブ制作会社に入社し、ウェブサイトやウェブシステムなど、受託開発のディレクション業務を7年半行いました。大手グループということもあり、1枚ページの運用ものから、大規模システムのディレクションまで多種多様で幅広い業務を経験しました。
大きな組織で多様な仕事を任せてもらえたことは、とてもありがたいことでした。組織規模が大きいと、チェック機能が充実するため品質の良いものができます。一方でコミュニケーションコストがかかるため、柔軟な発想やスピード感に欠けることに課題感を感じていました。
いつからか、小さくフラットで風通しが良い組織で、もっと柔軟にもっとスピーディーに良いもの・面白いものを作りたい・売りたいという思いが強くなっていきました。
はてなについては当時から、はてなブックマーク、はてなブログ、はてな匿名ダイアリーをよく読んでおり、技術情報やおもしろコンテンツを日々ブックマークしていました。
社会人4年目の頃、「へんな会社」のつくり方*1に感銘を受け、働く場所としてのはてなに強い興味を持ち、募集していた広告営業職に未経験で応募しました。しかし、当時は即戦力を求めていたこともあり、残念ながら結果は不採用でした。
そして30歳を過ぎ、改めて転職を考えた時期に、ちょうど自分のスキルを生かせる「はてなブログMedia」のセールス人員の募集があり、今までの受託開発におけるディレクション経験を評価いただきジョインすることになりました。
4年越しの希望が叶い、これにはちょっとした運命を感じています。
今やっていること
はてなでは、3つの企業向けコンテンツマーケティングサービスを提供しています。
- コンテンツ管理:オウンドメディアCMS「はてなブログMedia」
- コンテンツ制作:オウンドメディアコンテンツ制作サービス
- コンテンツ流通:はてなブックマークネイティブ広告
この中で、私はオウンドメディアCMS「はてなブログMedia」をメインで担当し下記業務を行っています。
- はてなブログMediaのセールス・ビジネスディレクション
- 売上拡大のための体制整備
- 営業推進活動
1. はてなブログMediaのセールス・ビジネスディレクション
はてなブログMediaとは、はてなブログの特徴を生かした企業向けのオウンドメディアCMSで、私は、セールスとビジネスにおけるディレクション業務を担当しています。
はてなブログMediaのセールスは、売って終わりというものではなく、案件の責任者として、導入~公開~運用まですべての行程に関わります。お客様のメディアの成長を共に感じることのできる、とてもやりがいのある仕事です。
具体的な業務の流れに沿って、イメージをご紹介します。
1-a. 問合せ~アポイント
問合せフォームからのお問い合せや、紹介などをきっかけにアポイントを取り、お客様に商品のご説明をします。
営業というと、アポイントが取れるまで受話器を置くな!新規飛び込みで受注が取れるまで会社に帰ってくるな!というイメージが先行してしまいがちですが、はてなでは一切そんなことはなく、インバウンドを中心に営業活動を行なっています。
また、いかにお問い合せを増やすか、営業推進チームを中心に全員で取り組んでいます。
1-b. 見積り・スケジュール作成
お客様ごとの要望を反映して、見積り・スケジュールを作成します。
1-c. 契約にいたるまでの問い合わせ対応
企業がシステムを導入するまでには、さまざまな過程があります。お客様がスムーズにシステム導入できるようにお手伝いをします。質問については、技術的な仕様に関することから、契約に関することまで多種多様です。社内のディレクター・エンジニア・法務部門などと連携しながら回答します。
1-d. 契約
受注が決まると、契約書のやり取りを行います。先方法務ご担当者と、はてな法務担当の橋渡しを行います。支払いに関することついては、セールスが回答します。
1-e. 要件定義~仕様決定~実装~検証
導入が決まり次第、要件定義を行います。はてなブログMediaには、様々なオプションがあるため、お客様とコミュニケーションを取りながら仕様決定を行っていきます。お客様から、あれはできないか?これはできないか?とご要望をいただくことも多いため、SaaSの範囲内で実現できるかディレクター・エンジニアと確認しながら、きめ細かくコミュニケーションを取ります。
ディレクター・エンジニアは技術的視点で、セールスはビジネス的視点で判断します。
仕様が決まった後は、ディレクター・エンジニアに実装を依頼し、できたものに対し検証を行います。
デザインはお客様にやっていただくことが多いですが、はてなで請ける場合は、ヒアリング~ワイヤーフレームの作成~デザインカンプの作成~実装までのディレクションを行います。
1-f. 公開までの問い合わせ対応
契約にいたるまでの問い合わせとは内容が変わり、技術的な問い合わせが増えてきます。ディレクター・エンジニアに確認を取りながら、回答していきます。
場合によっては、先方のエンジニア・デザイナーとの打合せにも参加します。
1-g. 請求
無事に公開が終わったあとには、金額のご請求を行ないます。
1-h. 通常運用
月額費用のご請求や、問い合わせ対応を行います。
1-i. 改修
ウェブのトレンドに合わせ、改修を行う案件も少なくありません。最近だと常時SSL対応の案件が増えており、適宜対応しています。
以上が大まかなフローとなります。私はこの半年で、6件の新規メディアの立ち上げと、2件の改修を担当しました。担当させていただいたメディアをいくつかご紹介します。
ぐるなびWEBマガジン
ぐるなび様のぐるなびWEBマガジンは「ぐるなびが運営するグルメ情報を中心としたWebマガジン」です。公開翌日にシウマイの記事が多くのはてなブックマークを集め、ソーシャルメディア上で拡散しました。早速お客様の成果に貢献することができ、営業名利に尽きます。
mercan(メルカン)
メルカリ様のmercanは「イベントやインタビュー、ブログのカテゴリを中心にしながら、テキストだけではなく動画、発表資料なども織り交ぜ、メルカリの様々な側面を伝えるコンテンツプラットフォーム」です。mercanを見て、採用エントリーに繋がることもあるとお聞きし、メディアの影響力の大きさを実感しています。
GOTCHA!(ガチャ!) 英語を楽しむ、アルクのWebマガジン
アルク様のGOTCHA!は、「株式会社アルクが、いろんな「わかった!」をお届けするWebマガジン」です。早速、他のCMSと比べて記事単体のPVが上がった、記事作成の効率が上がったと嬉しい言葉を頂戴しています。
2. 売上拡大のための体制整備
おかげさまで、はてなブログMediaは急拡大しています。これからは組織的に取り組む必要があり、体制整備が急務です。私はこの体制整備を任されています。
今は、いつメンバーが増えても良いように、案件の進行フローの標準化を行っています。営業部だけで解決できない課題は、コーポレート部門に協力してもらいながら体制を整えています。
また、案件の進行フローだけでなく、最近ではお客様が求めている機能をすぐにサービスに反映できるような開発フローの整備も進めています。
その他にも、まだまだやるべきこと・やりたいことが山ほどあります。はてなは、手を挙げれば何でもやらせてもらえる風土があるので、優先順位をつけて取り組んでいきます。
3. 営業推進活動
営業推進チームでは、主にセミナー運営や、はてなビジネスブログでの情報発信を行い、はてなの商材が売れるための仕組み作りを行っています。私は、はてなブログMediaのセールス・ビジネスディレクション担当として参加しています。
仕事の面白さ・やりがい
先述の通り、セールス・ビジネスディレクション、体制の整備、営業推進活動など、幅広い業務を行っています。
セールス・ビジネスディレクションでは、お客様のメディア導入のお手伝いをし、メディアの成長を見ることができます。お客様のメディアが目的を達成し、はてなさんに頼んで良かった!と言われることが何よりの喜びです。
また、才能豊かなエンジニアと仕事ができることも、面白さの一つです。むずかしい要望でもこうやれば実現できる・こうやればもっと良くなると前向きに意見をもらえます。WEBのトレンドは刻一刻と変わっていくので、日々勉強していくことが必要ですが、技術的なことに関してはエンジニアとやりとりをする中で吸収できることも多いです。
はてなブログMediaは、まだまだ成長中のサービスです。もっとサービスを良くするにはどうすれば良いか?もっとサービスを多くのお客様に届け、売上を拡大するにはどうすれば良いか?日々考え、試行錯誤しています。そのプロセス自体が面白く、とてもエキサイティングなことです。
これらの取り組みが、サービスの成長に繋がり、ひいては、はてなの成長に繋がると信じています。その実感が大きなやりがいとなっています。
働きやすさ
はてなはフラットで風通しが良くとても働きやすい会社です。中でも私が素晴らしいと思っている制度・文化をご紹介します。
人事制度
人事・総務部のid:tapir320さんのエントリーを引用します。
評価制度は査定のためだけにあるのではなく、個人や組織の成長のためのツールであるということです。現状と目指すべき理想のギャップを埋めるツールが評価制度ですので、目標設定とフィードバックが大事なのです。
はてなの組織開発について - 人事・総務を極める
こういった制度は、形骸化してしまうことが多いと思うのですが、はてなでは、まさにこれが実践されています。一番驚いたことが、上司が部下の成長を考えてくれていることです。社員の成長は会社の成長であるということを考えると、あたり前なのかも知れませんが、中々実践できることではないと思います。
TGIF・ほたて賞
TGIFは “Thank God, It's Friday.” の略。隔週金曜7時から社内パーティを開催します。サンドイッチやピザを食べて交流しながら、ひと月に一度「ほたて賞」とよばれる成果発表会を開催して、スタッフが投票しながら業務を振り返ります。
カルチャー - 株式会社はてな
ほたては、ホットなタスクを手がけた社員を表彰する会です。事前に、各チームが自分たちの成果をグループウェアに登録し、社員全員で投票します。会では、京都と東京をビデオハングアウトで繋ぎ、ビール片手にわいわいとランキング形式で発表します。他のチームがやっている内容を知ることができるし、なんといっても私はあの一体感がなんともたまらなく好きです。
テキストコミュニケーション
はてなでは、テキストのコミュニケーションが非常に多いです。ツールとしては、はてなグループやチャットツールのSlackを多用します。
前述の通り、はてなブログMediaのセールス・ビジネスディレクションにおいては、ディレクターやエンジニアなどへの確認事項が多いです。この確認もほとんどがSlack+はてなグループで行なわれています。(こみ入った話は対面orビデオハングアウトで話します。)
すぐにコミュニケーションが取れることや、履歴が残ることなどで大変便利です。Mackerel マーケティング担当のid:Swatzさんは自身のブログで、下記のように紹介しています。
テキストにすることで、受け取る相手は自分のペースで確認できます。そのため相手の作業を中断させないので、基本的に集中して作業ができます。エンジニアの方は特に気にするところだと思います。生産性や効率化の意識が強いので、テキストは都合がよいのです。
これらは基本的なことですが、更に意識しているのはオープンにして蓄積することにあります。はてなグループなどはまさにそうです。
そのためなるべく閉じたところで話はしないようにしています。例えば口頭でしたとしても、テキストで情報を残します。またCc範囲の少ないメールも閉じがちです。それもはてなグループにあげるなど、オープンにするよう心がけています。
私はこのテキストでのコミュニケーションが、組織をフラットに、社員間の距離を近くする効果があるとも感じています。
終わりに
私は、はてなブログMediaのセールス・ビジネスディレクション担当として、お客様と一緒に良いメディア作りに関われることを誇りに思っています。これからも、良いメディア・面白いメディアをどんどん立ち上げるべく、日々邁進していきます。
はてなブログMediaをもっと成長させ、もっと多くのお客様に届けるには、まだやるべきことがたくさんあります。私のような受託開発経験者の視点で、それを提案し実行する人材が営業部に足りないことが、現在の課題です。
そんな私たちと一緒に働くメンバーを募集中です。よろしければ、こちらからお気軽にお問い合せください!