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 台風11号の接近と前線の停滞に伴い、北海道は各地で大雨に見舞われた。

 国土交通省北海道開発局によると、北見市常呂町の常呂川では21日未明に3カ所で水があふれた。堤防ののり面が一部崩れ、同局が復旧作業を進めている。

 同市は現場周辺の1302世帯2893人に避難指示を出した。40代の女性が乗っていた車が水没したほか、40代男性と60代女性が川に流されたが、いずれも救出されて無事だった。

 水があふれた常呂川周辺の農地は広範囲に冠水している。農業用ハウスが濁流に押し流され、立ち往生した軽乗用車も残されていた。近くの農業野々下聡さん(69)は、テンサイや大豆、小麦などの作物が水没した。「入植して3代目だが、これだけの水害は、先代から伝え聞いている大正時代の洪水以来」と話していた。

 また、20日午後7時ごろには美瑛町の道道213号で道路が陥没し、近くの天人峡温泉のホテル2カ所に約100人が取り残された。道路は21日中にも復旧する見通しで、道警によると体調不良などを訴える人はいないという。

 北海道によると、河川の増水やはんらんの恐れがあるとして、21日午後4時半までに士別市や名寄市、北見市、紋別市、足寄町など8市町計3697世帯8007人に避難指示が、23市町村の1万2817世帯2万3260人に避難勧告が出た。また空知、上川、オホーツク地方などで163カ所の避難所が開設され、454人が避難した。