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マック、ポケモンGO特需で示した新たな価値

ポケモンGOユーザーの約16%がマックで商品を購入

2016年8月22日(月)

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 ポケモンGOの日本での配信が始まった7月22日。大手ハンバーガーチェーン「マクドナルド」の全店が、ゲームに必要なアイテムを入手できる「ポケストップ」または、キャラクター同士が対戦できる「ジム」になった。

 マクドナルドの店の前には、ポケモンGOで遊ぶユーザーが見られ、レジに並ぶ人が明らかに増えている店もあった。

ポケモンGOで遊ぶ人たちで、レジに並ぶ列も長くなった東京都内のマクドナルド

 こうした集客効果について、日本マクドナルドは具体的な数値などは明らかにしていない。だが、7月の既存店の売上高は、前年同月比で26.6%増、客数については9.8%も増えた。2014年夏以降の業績悪化から回復基調にあることを差し引いても、大きなプラスのインパクトをもたらしたといえるだろう。

 調査会社マクロミルが8月4~5日にかけてインターネットで、ポケモンGOユーザーを対象にした調査によると、回答した312人のうち、15.7%の人が、マクドナルドでフードやドリンクを購入していた。

【調査概要】調査会社マクロミルが8月4~5日にインターネットで実施。18歳以上、5000人のモニターの中から「ポケモンGO」のユーザー(週に1回以上プレー)を抽出。回答者の主な属性は10代、20代、30代、40代、50代、60代以上の男女がそれぞれ26人。合計312人にポケモンGOの利用動向を聞いた

 日本マクドナルドの唐澤俊輔ナショナルマーケティング部長は、「過去にない新しいマーケティング活動なので、その効果の判断は難しい」としながらも、「SNSなどで『久しぶりにマックに行った』といった声が多数届いており、集客につながったとの実感はある」と相応の手ごたえがあったとの見方を示す。

 外食業界に詳しい、いちよし経済研究所の鮫島誠一郎主席研究員は「店に行ったときの肌感覚や報道などから、都市部では10%、地方では20%程度の集客効果とみていたので、トータルで約16%という数字は予想以上に高い」と評価する。

 一方で、20.5%の人は入店せずにマクドナルド周辺でプレーしていた。だが、マクドナルド側は、「本来は外で楽しむゲームで、楽しみ方は人それぞれ。ゲームをしながら小腹がすいたり、喉が渇いたりした時に、マクドナルドに立ち寄ってもらえればよい」(唐澤部長)というスタンスだ。

 マクドナルドの約2900店のうち、400店がジムで、2500店がポケストップとなっている。特にポケストップは、対戦を行うジムとは異なり、その場所に近づいてアイテムを得たら即立ち去るユーザーも多く、集客にはつながりにくい面もある。

 こうしたジムやポケストップの配置については、ゲーム全体の設計に関わるため、マクドナルドに決定権はなく、ポケモンGOを開発・配信する米ナイアンティックが決めている。ただし、マクドナルド側からは、全国で顧客が楽しんでもらうために、例えば「都市部にジムが偏らないように」「都道府県に1つはジムを置いてほしい」といった要望は出したという。

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「マック、ポケモンGO特需で示した新たな価値」の著者

河野 紀子

河野 紀子(こうの・のりこ)

日経ビジネス記者

日経メディカル、日経ドラッグインフォメーション編集を経て、2014年5月から日経ビジネス記者。流通業界(ドラッグストア、食品、外食など)を中心に取材を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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