国費を使ってるから結果を出せって、え、ああ、あの、あなたが生まれてから今までに使われた国費分の結果は出してるんでしょうか・・・?
— ちこ@ミニマリストな投資家 (@ti__ko__) 2016年8月21日
一般ぴーぽーを養うのに使われている税金を考えてみました。
ざっくりですが、ご参考に。
教育
小学校:約85万円/年 6年で約510万円
中学校:約98万円/年 3年で約294万円
高校:約100万円/年 3年で約300万円
大学:私立約17万円/年 4年で約68万円
国立約183万円/年 4年で約732万円*1
大学まで国公立なら1836万円
生活
警察消防:約4万円/年
ごみ処理:約1.7万円/年
医療:約22万円/年
公営住宅:約1.4万円/年
保健衛生:約2.8万円/年
下水:約2万円/年
防衛:約3.6万円/年
道路・橋:約5.4万円/年
公園:約0.6万円/年
エネルギー対策:約2万円/年
社会福祉:約2.1万円/年
児童手当:約0.7万円/年
国際経済協力:約0.6万円/年*2
年間で約48.9万円ですね。
児童手当もらってねーし!とか、公園使ってねーし!とか、病院いかねーし!とか言わないでくださいね(笑)
小さいころに児童手当を受け取っていたかもしれませんし、ポケモンしに公園くらい行ったことあるでしょうし、死ぬ前には病院くらいいくでしょう。
0歳から女性の平均寿命の87歳までにかかる税金が約4254万円
年金は?
FP所持者らしく年金も考えてみることにしました。
物価上昇率とか、現在価値とかそんなのぱぁーっと抜いて、単純計算してみます。
国民年金のみで考えますね。
国民年金保険が2016年で15,590円/月。
これを40年間納めるとすると約748万円。
それに対してもらえる年金の見込みは約80万円/年。
女性の平均寿命まで生きるとして、87歳で死亡だと考えて受け取れる年金額は22年間で約1760万円なので、税金分が約1012万円
(誰だよ今の20歳は年金で2800万円損をするとか言った奴。今の制度じゃ20歳~60歳の間ずっと厚生年金の上限額を支払っても2800万円払えないんだよ!どうやってその数字出したんだよ!)*3
合計で約7102万円の税金があなた一人にかかります
基本的に納税を頑張る世代は生産年齢とされる世代だと考えて(15歳~64歳)その50年間にそれだけ払えるかっていう話ですよ。
そして、例えば、専業主婦を抱えている方を考えてみると、2人で1億4千万円程度の納税をしているか?
ものすごく分かりやすくまとめているサイトがありました。
日本人の平均年収400万円だと税金負担はどれくらい!? 結局手取りはいくら? | お金の知識全般 | お金の知識 | フレッシャーズ マイナビ 学生の窓口
これによると、平均年収400万円の独身者で年金を含めて税負担は約100万円、このケースの場合厚生年金を払っているので、それを抜くと年間約70万円。
それを22歳~65歳まで払って総額約3010万円。
それ以外の年代は直接税は下がりますが消費税・酒税などの間接税や、固定資産税や自動車税といった直接税など、ちょこちょこと払ってると考えて、全部で3500万円くらいじゃないですか?
あれ?全然返せないわ。あと3500万円どこいった。
ざっくりざっくり計算しすぎていますが、これが現実ですね。
是非ともご自身の給与明細の所得税・住民税・健康保険・雇用保険の欄を足し算してみてください。
年収1000万でも夫婦なら足りないよ
年収1000万円のサラリーマンで専業主婦を抱えてるというケースがありました。
年収1000万円の解説書~手取り、税金、職種など~ | キャリアHUB | 世界最大級の総合人材サービス ランスタッド
このケースで年金を除いた納税額が年間225万円。
可処分所得710万円のうち5割を消費税がかかる消費をしたとして(家賃は非課税だからね)、消費税が約28万円。その他間接税(たばこ税・酒税・ガソリン税等)を入れて年間30万円くらいでしょうか。
そんなすーぱーまんはいないと思うけど、22歳~65歳までこの水準を維持したとして、総額約1億1000万円。
ここで問題、このケース、専業主婦抱えてます。
この時点で2人分なので、1億4200万円程納税してて欲しいのです。
あれ足りない。
子供いたら更に足りない。
43年間常に年収1000万プレーヤーの独身者でやっと到達できるレベルってことですね。(一気にどかんって稼いだ方が税金多いけど)
実際に自分にかかった金額よりも税金を納めている人ってどれくらいいるんでしょうね。
ちなみに年収1000万円って約4%らしいので、少なくとも4%以下ですね。
実際には1%もいないんじゃないですか?(扶養者、継続的な要件を考えると)
税金使ってるんだから結果出せよ!は完全にブーメラン
税金使ってオリンピックに行かせてやってるんだから結果出せよ!はほぼブーメランですね。
少なくとも私が言ったらブーメランです。
ぐっさぐさのずったずたです。
私がこんなことを記事にしようと思ったのはこのツイートを見たから↓
私たちには国から教育費が支払われる。結局のところ、教育した人が成熟し納税をすることで、国家が円滑に回っていく。当然それらはポートフォリオとして捉えられ、すごく優秀でMBAを取得したくさん納税してくれる人もいれば、生活が苦しく生活保護をもらう人もいる。
— 為末 大 (@daijapan) 2016年8月15日
誰がどうなるかはわからないという前提で組まれている。けれどもそこにお金を費やす必要があるだろうとして、税金が分配される。スポーツ選手を強化する必要があると判断されればそこに税金が投入される。文化的なものが必要だろうと思われればそこに投入される。
— 為末 大 (@daijapan) 2016年8月15日
全体としてどの程度予算を咲くべきかは常に議論されるべきだろうと思う。一方で、もしポートフォリオではなく個別の問題を拾って捉え始めた途端、怖い発想をする人が出てくる。教育費を払ったのにあいつは納税していない。一人ひとりの人生で投資とリターンを考えるような恐ろしいことが出てくる。
— 為末 大 (@daijapan) 2016年8月15日
税金を投入したのにメダルが取れなかったという議論の恐ろしいところは、税金が使われていない人間などいないわけだから、すべての人が税金を使われただけに見合うリターンを国家にもたらしているのかという発想になる。
— 為末 大 (@daijapan) 2016年8月15日
為末さんが恐ろしいことと言っていた、一人ひとりの人生で投資とリターンを真剣に考えてみました。
結局机上の空論ですし、この数字に整合性も何もありませんが、私なりに真剣に考えてみた結果です。
この数字を見てどう思いましたか?
私は、あ、ちゃんと納税しようって思いましたね。
個人事業主なので、給与所得者だった時代よりも税金には敏感になっています。
毎年確定申告しますからね。
税金納めてやってんだぞー!!!って意識はやっぱり高いです。
できれば頑張って節税したいと思っていますが、稼いだ分はちゃんと納税しよう、こうやって納税できるようになるまで育ててもらったんだって意識が少し上がりました。
何にせよ、スポーツ振興費は削られやすい予算でもあると思うので、こうやって為末さんが色々と発信してくださるのはすごく良いことだなって思いました。
これからも頑張ってください。
陰ながら応援しています。
*1:大学は文・理・医学系等により一人当たりの金額が全然違うので、理系の方が、特に医学系はこれよりもずっとかかっている、文系はこれよりもずっと少ないと思ってもらってOKだと思います。https://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/gakushu/kyozai/kanagawa02.pdf
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2009/12/15/1287932_3_1.pdf
*2:参考
[暮らしの中の税] 身の回りの公共サービス (2) | 税の学習コーナー|国税庁
*3:参考
http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/20150731.files/0000029322XDcscLTTM3.pdf
標準報酬30等級(上限額)で厚生年金折半額が55266円、55266×12×40で約2652万円
企業負担金や国庫負担金(間接的には本人負担)を加味しても2800万円を損するのはかなり難しい。物価上昇率も入れてるのかもしれないけど、デフレしまくってる前提なのかもしれないですね。黒ちゃんはインフレ狙ってるけどね。