牛尾梓、宮嶋加菜子、坂本進 平山亜理
2016年8月22日01時43分
内戦や紛争で祖国を追われた10人が「難民選手団」として初めて参加したリオデジャネイロ五輪が21日夜(日本時間22日朝)、閉幕する。夢のため、自由のため、祖国のため。10人は奮闘し、五輪の意味をかみしめた。
17日の陸上女子800メートルの予選2組。ローズ・ナティケ・ロコニエン(21)は晴天の五輪スタジアムでトップ集団にぴたりとつき、懸命に腕を振った。8人中7位の2分16秒64で予選通過はならなかったが、「『競技に集中する自由』を与えてもらったことに感謝しています」とすがすがしい表情を見せた。
2002年、内戦が激化する南スーダンから隣国ケニアに逃れた。陸上経験はなかったが、難民キャンプで難民選手団の選抜テストを受けた。裸足で走った10キロ走は2位。夢の舞台への切符をつかんだ。
祖国では内戦状態が続く。両親は08年に故郷に戻ったが、消息不明だ。「私がすべきこと、できることは自分のベストを尽くすことだけ。たとえ祖国に怒りを感じていても」と言う。
泥沼化した内戦で、市街や遺跡に深刻な被害が出ているシリア北部のアレッポ出身のラミ・アニス(25)は、競泳男子100メートルの自由形とバタフライに出場。「夢のような時間だった」とレースを振り返った。
戦闘が激しくなった11年に隣…
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