中国 南シナ海のルール策定急ぐ姿勢を強調

中国 南シナ海のルール策定急ぐ姿勢を強調
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中国外務省の劉振民次官は、ASEAN=東南アジア諸国連合が強く求めている南シナ海における法的拘束力を持つルールの策定を急ぐ姿勢を強調し、国際的な仲裁裁判で中国の主張が否定され国際社会から批判が強まるなかで、ASEANとの友好関係をアピールしたい狙いがあるものと見られます。
中国政府は内モンゴル自治区で16日、ASEAN各国と南シナ海における法的拘束力を持つルール、「行動規範」の策定に向けた高官級の協議を開きました。
このなかで中国外務省の劉振民次官は「行動規範の協議を早めなければならない」と述べ、ASEAN側が強く求めている行動規範の策定を急ぐ姿勢を強調しました。
協議では艦船の衝突など、海上での不測の事態を回避するための対応や、緊急の際に各国が連絡を取り合うホットラインについて、方向性を取りまとめたということです。
協議のあと、劉次官は「南シナ海情勢は外部勢力の介入によって複雑になっており、ASEAN各国と中国は、問題解決のための鍵をみずからの手で持たなければならない」と述べ、アメリカや日本などをけん制しました。
中国政府としては先月、南シナ海をめぐる国際的な仲裁裁判で中国の主張が否定され、国際社会から批判が強まるなか、行動規範の策定に積極的な姿勢を示すことで、ASEANとの友好関係をアピールしたい狙いがあるものと見られます。