ジャケットを羽織らないシーンが増えるこの季節は、“お尻もっこリーマン”が目立つ。どんなに上質なスーツを着ていても、パンツのポケットが膨らんだ後姿はまるでオムツをしているかのよう……男たちのソレは見るに堪えない。
OH MY GOD! これは見過ごせない問題だわ!と、素敵な装いのおじさまを応援する20代女性として本連載の担当編集は立ち上がったワケである。
そこで今回は、私と同じく20代の女性スタイリスト・栖川彬子さんに“お尻もっこリーマン”問題をぶつけてみたところ、とても共感してもらえた。そのうえ、EXCELLENTな解決策までいただいたので、『For M』読者のおじさまたちにはカッコよくいてもらいたいという願いを込めて、残暑見舞いとさせていただきます。アーメン!
スタイリング+アドバイザー:栖川彬子 文:しらいしょうこ(For M)
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8月上旬、天気の良い日の昼下がり。恵比寿にあるカフェのテラス席で、おしゃれっぽい名前の紅茶をたしなむ私と栖川さん……
編集部しらい(以下、しらい):この紅茶にはとてもがっかりです。恵比寿や表参道あたりのカフェって、どうしてこうも飲み物に無駄にミントとか添えちゃうんでしょう?
栖川彬子(以下、栖川):え~? そう? ミント、別に悪くないと思うけど(笑)。
しらい:私、コレ、許せません。なんでも“入れれば良し”ってものじゃないと思うんです! パンツのポケットに物を詰め込んでぱんぱんにした“お尻もっこリーマン”くらい許せません。上司や気になる人が“お尻もっこり”系だったら、栖川さん的にどうですか?
栖川:え~それはちょっとキツいかも! 仕事も気使いもできなさそうなイメージ。でも仕事柄、私の周りにはまずいないな。
しらい:そんな上司は、陰で女性社員に「ムーニーマン」とか呼ばれればいい。そもそも、おしゃれな人やモテる人はこういう「身だしなみの基本」をないがしろにしないですよね。
栖川:そうそう! “お尻もっこり”させちゃうなんて、おしゃれとかモテる以前の問題だね。いったい、何をポケットに入れてるんだろう?
しらい:“お尻もっこリーマン”のポケットの中身は、財布、ケータイ、名刺入れ、たばこ、ぴょろんとはみ出たイヤホンとか……とにかくカッコ悪いです!
栖川:あ! あと、ゴミとかも入ってそうじゃない? 使ったティッシュとか、ガムの包み紙とか。
しらい:ゴミ(笑)! え~、汚な~い。雑な人間性が透けて見えるようですね。ポケットの許容量を完全に無視したこの愚行は、彼らがバッグの存在しない文化圏で生まれ育ったからなのでしょうか?
栖川:う~ん、バッグを持つのが面倒か、手ぶらで軽やかな着こなしを演出したいという想像もできるけど、なんにせよポケットになんでも入れちゃうのはナシだよね。
しらい:うんうん! “ウィンブルドン”じゃないんだから……。テニスプレイヤーがボールをポケットに入れるの、マネしてるのかしら。
栖川:実際のところ、後ろ姿って本人からは見えないだけに、気にしていない男性が多いよね。知らぬ間に女性から「カッコ悪いなぁ」「仕事できなさそう」って思われている現実にもっと目を向けてほしい!
しらい:ホントにそう! 『For M』読者には、もっこりさせるところを間違えないでほし……いえ、絶対に“お尻もっこリーマン”にはなってほしくないものです! 栖川さん、何か良い解決方法はありませんか!?