リオ五輪に出場した高谷【拡大】
「4年間、いろんなことにチャレンジしながらここまできた。今回、メダルをとれず、残念ですが、東京で頑張りたい」
こみ上げる悔しさ、ふがいなさ…。そのすべてを一緒に分かち合える人がいた。拓大4年時にマネジャーとして入部してきた奈美さんと意気投合。交際が始まり、5年以上の月日が流れた。
「オフを作ってくれる。ずっと競技のことを考えていたら、つらいので。ずっと一緒にいたい、結婚したい、とふと思いました」
2人の気持ちはひとつ。区切りに考えていた五輪を終え、「タイミングをはかって」入籍する運びだ。
タレント・スザンヌ似の奈美さんは高谷の好きなスイーツ巡りなどに笑顔で付き合う癒し系タイプ。だが、ときに厳しく背中を押してくれる。6月の国際大会で首を負傷し、弱音を吐くと「やれることをやるしかねえだろ!」との言葉が飛んだ。高谷は「僕の性格を分かってくれている」と感謝してやまない。
「日本人には無理」といわれる重量級に挑戦するエース。肉体作りは「最低条件」と体脂肪率8パーセント以下と鍛え上げる。激しいぶつかり合いゆえに、今大会も首痛で腕はまともにあがらず、両膝はボロボロ。「軽量級がお家芸と言われるままでは…」と反骨心を胸にマットに立ってきた。
「何を言っても結果が結果なので」
このままでは終われない。長髪で闘う姿から京都・網野高時代に「タックル王子」の異名をとった男は、最愛の人と再び立ち上がる。