服に残る銃弾の跡、血染めの紙幣…滋賀で戦争伝える企画展
日中戦争から太平洋戦争中の軍服や兵士らの日用品を集めた企画展「日本陸軍と軍装」が、滋賀県東近江市下中野町の県平和祈念館で開かれている。銃弾が貫通した跡が残る軍服など約270点を展示し、軍隊の仕組みと戦争の様子を伝えている。
展示品は県内から出征した兵士らの遺族から提供された。戦線が満州北部や東南アジアに拡大していくにつれ、綿や毛皮を使った防寒服や薄手で半袖の防暑服など、軍服も多様化していったことを解説している。
弾痕の残る展示もある。フィリピン・レイテ島で太ももを撃たれて戦死した兵士の遺品は、穴の開いたズボンや財布、血に染まった紙幣が戦争の悲惨さを物語っている。
パイロットの脱出用パラシュートや偵察用カメラ、衛生兵の医療器具など、当時の貴重な資料を多数並べている。
母親と訪れた湖南市の甲西中1年竹内涼緒さん(13)は「実物の遺品を見たのは初めて。滋賀も戦争に巻き込まれていたんだと分かった」と話していた。
9月25日まで。滋賀の戦争遺跡を紹介するパネル展も8月31日まで開いている。祝日を除く月、火曜休館(8月中は無休)。無料。
【 2016年08月13日 10時41分 】