蹴球探訪
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【スポーツ】リオ後のロシアに大きな責務 「五輪コラム」2016年8月21日 15時43分 国ぐるみの組織的なドーピング違反でリオ五輪への参加が危ぶまれたロシアは、当初予定より100人以上も少ない約270選手が出場した。メダルは前回ロンドン大会よりも大幅に減らしたが、五輪にとって「ロシアの参加」はよかったと思う。ロシアは問題を契機に、本気でドーピング一掃に立ち向かう責任がある。世界の強豪が健全な形でそろって参加することが、五輪の魅力を維持する大きなカギになる。 ▽メダルの価値 シンクロナイズドスイミングで日本は前回、初めて表彰台に上れなかった。メダル奪回を目指した今回は、想像を絶する準備をこなして臨みチーム、デュエット両種目で銅メダル。選手の喜び、ファンも共有した感動は五輪ならではの瞬間だった。 シンクロではロシアが2000年シドニー大会から両種目で勝ち続け、リオでも圧倒的な強さで2冠を守った。日本はウクライナとの激しい3、4位争いを競り勝った。もしロシアの参加が禁じられていれば、もっと楽にメダルに届いただろう。それではこれほどの感激はなかったはずだ。強豪がそろった中での銅だから価値がある。 ▽不完全五輪の弊害 五輪は世界のトップ選手がそろうのが本来の姿だ。形をゆがめたのが1980年モスクワ大会、84年ロサンゼルス大会であった東西陣営によるボイコット合戦だった。モスクワ大会に米国、日本などが出場せず、報復としてロサンゼルス大会を当時のソ連など東側諸国がボイコットした。競技レベルは落ち、メダル争いの興味はそがれた。 日本は強敵が減ったロサンゼルス大会で金10個を含む計32個のメダルを獲得。その時点での史上最多メダルに沸いた。大会後の強化はおろそかになり競技力は低下。88年ソウル大会から2000年シドニー大会までの金メダル数は「4」「3」「3」「5」と低迷した。これも不完全な五輪の後遺症だろう。 ▽クリーン大国 国際オリンピック委員会(IOC)はロシアを全面排除寸前まで追い込むことでスポーツ界全体に強い警告を発した。これ以上のドーピング汚染は、五輪とスポーツそのものをむしばみ、青少年にも悪影響を及ぼすからだ。 ロシアは国威発揚のための選手強化を改め、フェアプレーを取り戻さなければいけない。疑惑の目にさらされながらリオ五輪に出場した若いロシア選手はその先頭に立ってほしい。クリーンなスポーツ大国としての復活は、世界の仲間から歓迎されるだろう。 (荻田則夫) (共同)
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