バドミントン女子ダブルス 高橋・松友ペアが金メダル

バドミントン女子ダブルス 高橋・松友ペアが金メダル
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リオデジャネイロオリンピック、バドミントン女子ダブルスは、18日、決勝が行われ、高橋礼華選手と松友美佐紀選手のペアがゲームカウント2対1の逆転で勝ち、金メダルを獲得しました。日本のバドミントン界でオリンピックで金メダルを獲得したのは史上初めてです。
世界ランキング1位の高橋選手と松友選手の“タカ・マツ”ペアは、女子ダブルスの決勝でランキング6位のデンマークのペアと対戦しました。
“タカ・マツ”ペアは、試合の序盤、ネットの近くから素早く仕掛ける相手の攻撃に押され、第1ゲームを18対21で落としました。
しかし、第2ゲームは、高橋選手が強打し松友選手が巧みなショットで決める本来の形が決まり、21対9で奪い返しました。
そして、第3ゲームは一時は16対19とリードされましたが、“タカ・マツ”ペアは、ここから力強いショットをたたみかけて連続で5ポイントを奪い、一気に21対19と逆転し、ゲームカウント2対1で勝って金メダルを獲得しました。
日本は、前回のロンドン大会でこの種目で藤井瑞希選手と垣岩令佳選手のペアが銀メダルを獲得していますが、日本のバドミントン界でオリンピックで金メダルを獲得したのは、高橋選手と松友選手のペアが史上初めてです。

高橋「メダルはすごく重い」

高橋礼華選手は、第3ゲーム終盤、5連続ポイントを奪って逆転勝ちしたことについて、「きのう、レスリング女子の伊調選手が最後に逆転勝ちしたのをテレビで見ていたので、『自分たちもここから勝てる』と思っていた。最後は覚えていないが、諦めない姿勢でプレーできてよかった」と試合を振り返りました。
日本バドミントン界初となる金メダルについては「メダルはすごく重い。ロンドン大会に出られず、4年間この舞台を夢見てきたことが、いい結果になってよかった」と笑顔を見せていました。
そして、結成10年目でともに世界の頂点に立った、高校の後輩、松友美佐紀選手について、「松友と組んでからダブルスで活躍できるようになり、自分のスマッシュのよさも教えてもらった。ここまで来ることができるとは思わなかったが、2人でやってきてよかった」と話していました。

松友「2人で諦めず頑張ってよかった」

松友美佐紀選手は、第3ゲーム終盤、追い込まれたなかから逆転勝ちしたことについて、「自分たちのプレーを出し切って終わろうと考えていて、2人で攻めることができた。今までいろいろな国際大会に出たがバドミントンでは、日の丸がいちばん上にあるのを見たことがなかったので、自分たちでできてうれしい」と金メダルを喜びました。そして、高校の先輩、高橋礼華選手とペアを組んでからの10年間を振り返り、「国際大会に出始めた最初のころは全く勝てなかったが、『世界で勝ちたい』と2人で諦めることなく頑張ってきてよかった」と目に涙を浮かべながら話していました。

高校時代からのペア

バドミントン女子ダブルスの高橋礼華選手と松友美佐紀選手のペアは、ともに初めてのオリンピック出場です。高橋選手は奈良県出身の26歳、松友選手は徳島県出身の24歳で、仙台市の高校時代からペアを組み、息の合ったコンビネーションを作り上げてきました。
後輩の松友選手が巧みにシャトルをコントロールしてネット際で相手を揺さぶり、先輩の高橋選手が持ち味の正確なスマッシュとミスのないショットでポイントを奪う役割を担います。
おととし、世界のトップ選手だけで争う「スーパーシリーズファイナル」で男女を通じて日本勢初優勝を果たし、ことし3月には100年を超える歴史がある「全英オープン」で、女子ダブルスでは日本勢で38年ぶりに優勝しました。
リオデジャネイロオリンピックでも優勝候補ペアの1つに挙げられ、第1シードとして日本バドミントン界初の金メダルを目指していました。

母校で後輩が熱い声援

リオデジャネイロオリンピック、バドミントンの女子ダブルスで金メダルを獲得した高橋礼華選手と松友美佐紀選手が初めてペアを組んだ母校の仙台市の高校では、後輩たちが熱い声援を送りました。
高橋選手と松友選手は、仙台市の「聖ウルスラ学院英智高校」の出身で、高校時代に初めてペアを組み、ことしで10年目となります。母校には、バドミントン部の後輩などおよそ200人が集まり、大型スクリーンで決勝を観戦しました。後輩たちは、2人の息の合ったプレーから強烈なスマッシュが決まるたびに大きな声援を送っていました。
相手のデンマークのペアと1ゲームずつを取り合い、第3ゲームでは終盤、3点をリードされる苦しい展開となりましたが、“タカ・マツ”ペアは5連続得点で逆転し、金メダルを獲得しました。母校の会場は大きな歓声に包まれ、涙を流して喜ぶ人の姿も見られました。
バドミントン部の2年生の女子生徒は「3点差を追い上げての金メダルはすごい。先輩方は私たちの誇りです」と話していました。高校時代に松友選手とペアを組んだという女性は、「一緒にプレーしていたのが信じられないくらい強かった。努力が実った結果だと思う」と話していました。

松友選手の祖母「とれて本当によかった」

リオデジャネイロオリンピック、バドミントンの女子ダブルスで初の金メダルを獲得した松友美佐紀選手の出身地、徳島県藍住町では祖父母や地元の人たちが喜びに沸きました。
徳島県藍住町の町民体育館では、松友選手の祖父の日高直見さん(82)と祖母の春子さん(74)、それに、松友選手が小学生のころ所属していた地元のスポーツクラブの関係者などおよそ700人が集まり、試合の様子を見守りながら応援しました。
日本とデンマークが互いに一歩も譲らない展開で当初は緊迫した雰囲気に包まれましたが、終盤、日本が逆転してマッチポイントを迎えると、「もう一本」というかけ声が巻き起こりました。そして、金メダルが決まった瞬間、集まった人たちは一斉に立ち上がって喜びを爆発させ、大きな歓声とともに拍手を送りました。
祖母の春子さんは「ハラハラする試合でしたが、金メダルをとれて本当によかった。ありがとうと言いたいです」と話していました。
また、小学生時代の松友選手を指導した「藍住エンジェルスポーツ少年団」の藤本伸監督は「教え子が金メダリストになるという夢が現実になりました。『練習すれば、松友選手のように世界で戦える選手になれる』と子どもたちに伝えたい」と話していました。

高橋選手の父「金メダルの瞬間 涙が出た」

リオデジャネイロオリンピック、バドミントンの女子ダブルスで金メダルを獲得した高橋礼華選手のふるさと、奈良県橿原市では、父親や地元の人などが試合の様子を見守り、勝利の瞬間、大きな歓声が沸き起こりました。
奈良県橿原市の市民ホールには、高橋選手の父親の昭博さんや地元の人などおよそ800人が集まり、高橋選手と松友美佐紀選手のペアが相手のデンマークからポイントを奪うたびに応援用のバルーンや和太鼓をうち鳴らしました。そして、勝利の瞬間には大きな歓声が沸き起こり、飛び上がって抱き合う人や涙ぐむ人もいました。
高橋選手の父親の昭博さんは「金メダルが決まった瞬間は涙が出ました。2人の勝ちたいという強い気持ちが結果につながったと思います。夢と感動をありがとうと伝えたいです」と笑顔で話していました。
高橋選手が通っていた幼稚園で保育士をしていたという畑和世さんは「小さいころから負けず嫌いで何事もやり遂げる子でした。おめでとうと言いたいです」と話していました。