レスリング女子63キロ級 川井が金メダル

レスリング女子63キロ級 川井が金メダル
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リオデジャネイロオリンピックは18日、レスリングの女子63キロ級が行われ、川井梨紗子選手が金メダルを獲得しました。
オリンピック初出場の21歳、川井選手は準々決勝や準決勝で鋭いタックルを重ねて順調に勝ち上がり、決勝ではベラルーシのマリヤ・ママシュク選手と対戦しました。
川井選手は序盤、低い姿勢からのタックルで相手を倒して2ポイントを先制し、第1ピリオドを2対0で折り返しました。
川井選手は第2ピリオドでも攻め続けてポイントを重ねて6対0で勝ち、初めてのオリンピックで金メダルを獲得しました。
日本勢はこの階級で4大会連続の金メダル獲得です。

先輩 吉田選手への思いとともに戦った

表彰式を終えて金メダルを手にした川井梨紗子選手は「正直、まだあまり実感はないがうれしい気持ちでいっぱいです」と満面の笑みで喜びを表現しました。
川井選手の決勝は、大学の先輩でオリンピック4連覇を目指した吉田沙保里選手が53キロ級の決勝で敗れてからおよそ1時間後でした。決勝の前にはレスリング日本代表の栄和人チームリーダーから「沙保里の負けを晴らしてくれ」と言われたということで、川井選手は「沙保里さんでも負けることがある。何が起きるか分からないと直前で理解することができた。今まで一緒にたくさん練習してきてレスリング以外のことでもお世話になってきた。しっかり自分が勝って悔しさを晴らそうと思って決勝は戦った」と先輩として慕ってきた吉田選手への思いとともに戦ったと説明しました。
そして決勝で開始から終了まで攻める姿勢を貫いたことについて、「自分は小さい頃からやってきたレスリングが攻めるレスリングなので、それで勝つことができてよかった」と振り返りました。

相手の懐に入るタックルが持ち味

川井梨紗子選手は石川県出身の21歳。初めてのオリンピック代表です。両親ともにレスリングの選手で母親は世界選手権にも出場しています。
タイミングよく相手の懐に入るタックルが持ち味で、2013年とおととしの世界ジュニア選手権で優勝しました。おととしから主に58キロ級で戦っていましたが、オリンピックで3連覇中だった伊調馨選手が同じ階級になったことから、63キロ級に上げてリオデジャネイロオリンピックを目指し、去年の世界選手権では銀メダルを獲得しました。

川井選手が通う大学で大きな歓声

川井選手が在学している愛知県の至学館大学では、応援していた学生などから大きな歓声が上がりました。
川井選手が在学し、練習の拠点にしている愛知県大府市の至学館大学では、19日、学生や市民などおよそ400人が試合の様子を見守りました。
53キロ級の決勝では先輩の吉田沙保里選手が敗れ、集まった人たちは川井選手の試合を緊張した様子で見守りましたが、金メダルを決めると一斉に立ち上がり、「梨紗子、梨紗子」と大きな歓声を上げました。
同級生の4年生の女子学生は「吉田選手の分も頑張って金を取ったと思う。感動をありがとうと言いたい」と話していました。また、大学1年生の女子学生は「本当にすごいと思います。川井選手は至学館大学の誇りです」と話していました。

出身地 石川県津幡町は喜びに沸く

川井選手の出身地、石川県津幡町では、地元の人たちが喜びに沸き返りました。
石川県津幡町の文化会館には、川井選手が小学生から中学生のころまで通っていたレスリングジムの関係者や同級生など200人余りが集まり、大型スクリーンの前で応援しました。川井選手が登場すると、「頑張れ、頑張れ、梨紗子」などと声援を送り、会場は熱気に包まれました。
決勝では祈るような表情で試合を見守っていましたが、金メダルが決まった瞬間、大きな歓声が上がり、中には涙を流す人もいました。
川井選手が通っていたレスリングジムの筒井昭好代表は「コーチを務めていた母親の夢だったオリンピックの金メダルを娘がとった。母親との二人三脚の結果で、つらいこともあったと思うが粘り強さが出て勝てた」と話していました。
また、小中学校の同級生の女性は「本当に感動しました。最後まで粘っていてすごかった。誇りに思います」と話していました。