蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【スポーツ】[陸上]男子400メートルリレー銀メダル 世界驚かせた日本の実力2016年8月21日 紙面から
◇リオ五輪 男子400メートルリレー【リオデジャネイロ五輪取材班】陸上男子400メートルリレーの決勝が19日(日本時間20日)行われ、山県亮太(24)=セイコーホールディングス、飯塚翔太(25)=ミズノ、桐生祥秀(20)=東洋大、ケンブリッジ飛鳥(23)=ドーム=で臨んだ日本は予選でマークしたアジア記録をさらに更新する37秒60で銀メダルを獲得。ウサイン・ボルトを擁して3連覇達成のジャマイカには届かなかったものの、3着でゴール(後に失格)した強豪の米国を0秒02差で振り切った。日本が同種目でメダルを獲得するのは2008年北京大会の銅メダル以来2大会ぶり、銀メダルは過去最高の成績となった。 サムライ4人が背負った日の丸が、風に吹かれて誇らしげに、そして優雅にたなびいた。ガトリン、ゲイ、ブロメルをそろえる米国、昨年の世界選手権(北京)銅メダルのカナダを実力で振り切って、過去最高の銀メダルを獲得。日の丸を背にトラック一周した4人を代表し、アンカーのケンブリッジは「今までで一番最高の気分」と喜びを爆発させた。 100メートルの決勝進出者がいなくても、100メートル9秒台の記録を持つ走者がいなくても、並みいる強豪国をなぎ倒した。鍵となったのは、第3走者の桐生からケンブリッジへのバトンの受け渡し。苅部俊二コーチ(47)=アトランタ五輪代表=は「きのう(18日)の予選で3走、4走で詰まった。やっぱり不安があった」と振り返る。そんな心配を吹き払ったのは若き桐生の突破力だった。 決勝前にバトンを受け渡すタイミングを予選から変え、両者ともに減速せずに走れるように桐生から持ち掛けた。本番では桐生がトップのジャマイカにほぼ並んでバトンパス体勢へ。ケンブリッジはギアを上げて受けとった。その後ボルトには差を広げられたが、昨年の世界選手権100メートル銅メダルのブロメルの猛追は振り切り、0秒02差の2着でゴールラインを駆け抜けた。 リレーに対して桐生は人一倍思いが強い。「僕が陸上のテレビを見始めたのが、リレーでメダルを取った北京オリンピック。あれを見て『日本、すげえな』って思った。アンカーの朝原さんがバトンを投げた映像は鮮烈にめちゃくちゃ残っています」。4人でつないで結果をみんなで分かち合えるリレーが大好きだった。滋賀・彦根南中時代には脚を肉離れしても強行出場し、足を引きずりながらゴール。京都・洛南高3年の全国高校総体では寄せ集めのようなチームだったにもかかわらず、アンカーとして本気で優勝を狙った。当時指導した柴田博之監督(53)は「桐生が『みんなは精いっぱいバトンをつないでくれ。負けた責任はすべて俺が取る』と話したシーンが忘れられない。あの言葉に涙が出そうになった」と回想。根っからのリレー好きが、初の五輪で輝いた。 個人種目の100メートルで予選敗退の屈辱を晴らした桐生は「これで歴史に名を残せましたかね? 2020年の東京オリンピックは24歳。そこではきょうよりも、いい色のメダルを取りたい」と言い切った。ジャマイカ代表からボルトが去る4年後ならば、金メダルも単なる夢ではない。北京からリオへ受け継がれたメダルのリレーは、開催都市・東京で歓喜のゴールを迎える。 (千葉亨) PR情報
|