土性が金メダル レスリング女子69キロ級

土性が金メダル レスリング女子69キロ級
k10010640891_201608181207_201608181208.mp4
リオデジャネイロオリンピックは17日、レスリングの女子69キロ級で、土性沙羅選手が金メダルを獲得しました。
21歳、オリンピック初出場の土性選手は、持ち味の切れ味鋭いタックルを軸に、最初の予備戦でウクライナの選手を11対2の大差で破り、続く1回戦ではトルコの選手にテクニカルフォール勝ちしました。
準々決勝でカナダの選手を破り、準決勝ではスウェーデンの選手に苦戦したものの、終盤に逆転勝ちした土性選手は決勝で、前回、ロンドン大会の72キロ級の金メダリスト、ロシアのナタリヤ・ボロベワ選手と対戦しました。
土性選手はパワーのある相手に組み止められて持ち味のタックルを封じられ、第1ピリオドと第2ピリオドに1ポイントずつ奪われる、苦しい展開となりました。それでも残り時間40秒ほどのところで、相手の左足を取る粘り強いタックルで一気に2ポイントを奪って追いつき、同点の場合は、より大きなポイントを取ったほうが勝ちとなる規定により、土性選手が初出場で金メダルを獲得しました。

「最後の1秒まで諦めず 攻める気持ちで」

土性選手は「残り時間が少なく、追い込まれていたが、最後の1秒まで諦めずに攻めるという気持ちで臨んだ」と試合を振り返りました。追い込まれた状況で力を発揮できた要因について問われると、「先輩2人が最後の最後に逆転して金メダルを取ったので、絶対負けられないと思った」と、先に決勝を戦った登坂選手と伊調選手の劇的な勝利が力になったと明かしました。そして、三重県津市の同じレスリング教室出身の吉田沙保里選手が翌日に出場することについて、「3人優勝することができて、いい流れでバトンをつなげることができた」と笑顔で話していました。

土性選手 これまでの歩み

土性沙羅選手は三重県出身の21歳で、初めてのオリンピック代表です。
吉田沙保里選手を生んだ道場で磨いた強烈なタックルが最大の持ち味で、小学生の頃から全国レベルの大会で実績を重ねてきました。世界選手権では2013年が銅、おととしが銀、そして去年が銅と、3大会連続でメダルを獲得しています。
オリンピックに向けては得意の攻撃に加え、守りを固めて失点を減らす対策を進めていました。

出身地の三重で快挙に大歓声

土性沙羅選手の出身地、三重県松阪市では地元の人たちが大型スクリーンで観戦し、土性選手の快挙に大歓声が上がりました。
三重県松阪市のホールでは地元の人たち、およそ300人が大型スクリーンで観戦し、風船のスティックを振って応援しました。
決勝では、前回のロンドン大会の72キロ級で金メダルを取ったロシアのボロベワ選手を破り、金メダルが決まるとホールに大歓声が上がりました。
土性選手の祖母の佐藤なるみさん(70)は「金メダルを取れるとは思ってもいませんでした。本当に皆さんのおかげです。孫の沙羅には、ありがとうと伝えたい」と話していました。
姉の沖田千尋さん(26)は「本当に心からうれしいです。妹ならやってくれると信じていました。帰国したら『お疲れさまでした』と声をかけたい」と話していました。