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純女さんの場合、加齢に伴って体内で分泌される女性ホルモンの濃度が下がり、女性としても老化していきますが、私たちMtF当事者の場合、ホルモン療法をいつまで続けるのか、という問題があります。先日、図らずもこの問題に直面することになりました。 少し前に、会社近くの病院で受けた詳細な血液検査の結果を、いつもお世話になっている婦人科の先生に見せました。白血球が少し高め等、従来からわかっていた項目もあり、それらに関しては先生も「うちで測ったものと変わらないですね」だったのですが、一つの項目を見て、表情が曇りました。 プロテインS…、血栓症に関連する項目です。 この病院では半年に一度、D-Dダイマーという血栓の指標を調べていて、それは特に問題ないとの事だったのですが、プロテインSは、体質的に血栓症になりやすいか否かの指標になるそうです。最近は女性の更年期障害に対するホルモン補充療法を開始する前に、このプロテインSも測るそうですが、私の数値では「血栓症を引き起こすリスクが高く、ホルモン補充療法は不可」と判定されるレベルだそうです。 この先生はとても真面目な先生で、私を診てくださるようになってから、GIDのホルモン療法に関しても色々勉強してくださっていましたが、私がお世話になり始めた頃には、婦人科学会でもプロテインSは調べることになっておらず、D-Dダイマーの数値がOKだったため、始めてしまった、と仰っていました。先生の悩みは、「プロテインSがダメだから今後のホルモン療法はやめるべきか、D-DダイマーがOKだから継続していいか」というものでした。 その時は「注射ではなく、体にとっても負担が少ないパッチ(エストラーナテープ)にしておいて、専門の先生の意見等も聞いてみましょう」ということになりました。 先生は埼玉県のSクリニックU先生にも聞いてくださいました。実はGID学会等でもホルモン療法のやめ方に関して議論されているそうで、遠からず指針が出るとか。それも踏まえて決めた方針は、「今後パッチ(注射よりも弱い)を継続し、その内に半量のパッチに切り替え、最終的には停止する」でした。私も普通に女性としての老化が望ましいと思っていたので、同意しました。 そういえば、米国の映画で “Bicentennial Man” (邦題は「アンドリューNDR114」)というのがあって、人間として生きていきたいと思うようになったロボットが、改造により人間と同じように老化していく道を選び、最後に息を引き取るというものでした。考えてみると、MtFというのも同じようなものかも知れないと思いました。 |
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すこし気になることがあります・・・女性ホルモン(エストロジェン)を完全に停止する必要はないのではないでしょうか?。純女さんの場合閉経後は女性ホルモン(エストロジェン)が"0"になるわけじゃないでしょう?たぶん・・・
生体の化学反応(性化学反応)は平衡状態のことがほとんど、一方的に反応が偏ることは稀だと思います。
今回の場合、プロテエインSの値が問題なので、またカオルBさん自身も緩やかな老化(外見上の老化)を望まれてるのなら、血中エストロジェン濃度をいまより下げることでいいのではないでしょうか。
純女さんでも、MtFさんでも、アンドロジェンは微量にありますから、エストロジェンを減らすことでアンドロジェンの影響が相対的に強くなってくるでしょうし、完全にエストロジェンを停止してしまっては逆に「老化」が進み過ぎないかな?という気もします。
2016/8/18(木) 午後 1:11 [ ひろこ ] 返信する
> ひろこさん
完全にゼロの必要はないとは思いますが、自然な女性を目指すなら、実年齢相応に減らしていくことは考えた方が良いと思います。
GID学会でも基本的な考え方はそのような方向みたいですし。
2016/8/21(日) 午前 10:05 [ Kaoru-B ] 返信する