マニアック 2016年8月19日

AmazonのレコメンドをたどったらBLから炊飯器に行き着いた

Amazonに「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というコーナーがありますよね。
ぼく、あのコーナーが大好きなんです。



「あー他の人はこれも買ってんのか～たしかに欲しいな～じゃあ自分も買おうかな」って気にさせられますよね。
意外性と納得性をかねそなえた素晴らしいレコメンドだと思います。

レコメンドと言えば話かわって、先日炊飯器が故障したので、新しいやつをAmazonで買おうと思ったんですね。

で、AmazonのTOPページにアクセスしたら、おすすめの商品としてなんとボーイズラブ(BL)本が表示されちゃったんです。



まあ種明かしをすると、実は先日友人から「これはBLだけど普通の人でも面白いから！」って『コオリオニ』というマンガを勧められて、買って読んだことがあったんです。
(ちなみに「美しく貪欲なビッチのヤクザと何でもこなす男前な悪徳刑事」という薫り立つキャッチコピーの作品なんですが、すごく面白かったです。オススメ！)

で、どうやらその時の履歴が残ってて、Amazonさんに「あ、こいつBL好き野郎やんけ」と勘違いされておすすめされちゃった、ということなんです。

まあ、これだけだったら「Amazonのレコメンド精度もまだまだ改良の余地があるね」ということで終わって普通に炊飯器を買いにいってもいいんですが、ふとひらめいたんです。

「BLを買う人も、BLだけ買うわけじゃなくてミネラルウォーターとかの日用品も買うはず」
「ミネラルウォーターを買った人もあわせてコップとかトイレットペーパーとかを買ったりするはず」
「……ということは、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」をたどっていけば、いつかはBLから炊飯器にたどりつくこともあるはず……！？」

ちょっとなにを言ってるかわからない人も多いかと思うんですが、まあ待ってください。

要するに、こういうことです。

1. スタート地点となるBL本を定める
2. その商品の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」リストから、もっとも炊飯器に近づけそうな商品を選ぶ
3. 同様に②で選んだ商品の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」リストから、もっとも炊飯器に近づけそうな商品を選ぶ

―以下繰り返し―


4. 最終的に「炊飯器」にたどりつけたらゴール

やっぱりなにを言っているかわからないかもしれませんが、こんな感じでやっていきます。

……このときまだぼくは知らなかったのです。
この先に訪れる苦難の道と、時折現れる奇跡への興奮、思いもよらない深い教訓が隠されていることなど……

BLから炊飯器へ至るまでの軌跡

まず、スタート地点となる商品は、数多くレコメンドされたBL本の中でも、ひときわ異彩を放っていた『ごほうびちくび』に決定しました。

ここからレコメンドをたどって炊飯器を目指すわけですが、まずは「どうすれば炊飯器にたどり着けるのか？」という戦略を立てることにしました。

最初の戦略は

• BLから一般の漫画や小説などに移動する

です。BLよりも普通の本のほうが、いろいろなものと合わせ買いされているでしょうからね。

ここからは、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」リストに表示された中から選んだ作品を順を追って見ていきます。



選択理由：数あるBL本レコメンドの中から、いちばん「声に出して読みたい」と感じたタイトルだったから。渋谷のスクランブル交差点で声に出して読めばたぶんすぐに警察と仲良くなれる。

↓


選択理由：ホストということで、お酒の本などが合わせて買われているかと思ったため。

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選択理由：家族ものっぽいので、育児本などが合わせて買われているかと思ったため。

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選択理由：ファンタジーものっぽいので、資料集などが合わせて買われているかと思ったため。

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選択理由：子育てとあるので、これも育児系の本につながるかと思ったため。

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選択理由：神社とのことで、神道系の本とあわせて買われていないか期待したため

↓


選択理由：シャレオツな雰囲気がほかの作品と一線を画していて、BLじゃない本への足がかりになるんじゃないかと思ったため。

↓


選択理由：育児系っぽいのと、サムライ文化関連の本とあわせて買われているのではないかと思ったため

↓


選択理由：どうしても育児系の本につながってほしいと一縷の望みをかけた


……このへんでだんだんBL沼を抜けられる気がしなくなってきました。



でもめげるわけには行きません。
次々行きましょう。



選択理由：一周まわって、獣○もいいかなと思えてきた。

↓


選択理由：もろ羊の絵が描いてあって、獣医系の教科書につながらないかなと思ったため。

↓


選択理由：だんだんどうでもよくなってきて単純に絵の好みで選んだ。

↓


選択理由：「神さま」とあるなら神道系の本につながってくれと願ったため。

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選択理由：「孕ませの神剣」というワードに厨二心にも似たワクワクを感じたため。

↓


選択理由：BL沼を抜けられる気がしなくなってきて適当に選んだ。

↓


選択理由：猫が好きなため。

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選択理由：いろいろな作品の「こんな商品も買っています」リストに表示されており、さぞ人気作なのだろう、であれば一般の本とも合わせて買われているかも知れぬと判断したため。

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選択理由：同様に人気作っぽかったため。

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選択理由：書店員モノならさぞ本が好きな人が買っているだろうから。

↓

選択理由：警察モノなら犯罪列伝とかと合わせて買われてるかと思ったため。

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選択理由：最新刊なら一般の最新本と合わせて買われてるのではと思ったため。

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選択理由：すわ一般の恋愛モノかと表紙を見て期待した、が、やっぱりBLだった。

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選択理由：どエロい作品を選べば普通のエロ本にたどりつくとおもったため。

↓


選択理由：どエロ責め。

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選択理由：調教の教科書的なものへつながるかと思ったため。

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選択理由：人気作っぽかったため。

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選択理由：アレがない人の国ってどんなだろう、と思ったため。

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選択理由：犬の本につながるかと思って。

↓


選択理由：極道×育児ということで最強に見えた。

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選択理由：意識がもうろうとしてきて同じ本を選んでしまった。

↓


選択理由：普通の漫画の表紙に見えた。が、BLだった。

↓


選択理由：ライトな作品に見えたので、一般作につながる気がした。

↓


選択理由：ライトな作品に見えた。

↓


選択理由：もはやBLの定義がわからなくなってきた。

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選択理由：「セックス」と直球で言うのがカッコイイと思った。

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選択理由：先生モノなら教科書とかにつながるはずだ？

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選択理由：人気作っぽかったのでそのぶん普通の漫画も合わせて買ってる人がいるかと思った。

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選択理由：普通の漫画に見えた。

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選択理由：普通の漫画に見えた。

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選択理由：一転、どエロ路線で行こうと思った。

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選択理由：ライトなものに見えた。

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選択理由：なんか聞いたことがあるタイトルだと思った。アニメ化してたっけ？


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そしてようやく、ようやく……！








選択理由：僕でも知ってる天下のジャンプ連載作品だったため。



正直、ハイキューの表紙が見えた時はここ1年で一番大きいくらいのガッツポーズをしました。



BL沼にはさんざん苦しめられましたが、ようやく長いトンネルを抜けることが出来ました。

当初の目標である、BLゾーンを抜けることができた今、新たに戦略を立てます。

• アニメ化した作品を選んで、DVD・Blu-rayにいく。その後、プレーヤーから家電つながりで炊飯機に近づく

選択理由：アニメ化しているため。

↓


選択理由：アニメ化しているため。

↓


選択理由：DVD同梱版とあり、近付けそうだったため。

↓


選択理由：Blu-rayそのもの！狙い通り！



しかしここで、レコメンドに狙いのプレーヤーは出てきません。2巻や他の作品は出てきますが……

そこで、戦略を変えます。

• ゲームならレコメンドされるので、そこからゲーム機→家電コンボを狙う

選択理由：ゲームを選べば、ゲーム機＝家電につながると思った。

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選択理由：最新のゲームなので、ゲーム機本体と合わせて買う人がいると思った。

↓


選択理由：きた！さらにここから横展開で他の家電に行けるはず！

↓


選択理由：もはや家電といってもよかろう！？


しかし、ここで予想外のレコメンドが発生します。
それが下記の商品です。



選択理由：もう食べ物関係まで来たら勝ちでしょ。


ホットサンドメーカー。炊飯機とは遠いものの、食べ物関係という共通項に可能性を感じずにはいられませんでした。

ここからは、ほとんど戦略もクソもありません。

• とにかく「米っぽい」商品にあたって近づく！

「米っぽい」なんて言葉、人生で初めてつむぎました。


↓


選択理由：キッチン用品で食べ物関係だから。

↓


選択理由：いったんキッチン用品でも電気系から離れるチャレンジもしてみる。



そして………



↓


選択理由：はい、勝ち確。



二度目のガッツポーズです。もはや完全に真理の一歩手前まで来た、という感覚です。





そして……

↓

戦いをふりかえって

戦績

初手：『ごほうびちくび』
決まり手：『象印 炊飯器 マイコン式 3合 ブラウン NL-BA05-TA』

到達までに遷移した商品数(手数)：56手

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


長い戦いでした。

途中BL沼に肩までつかった時はもうダメかと本当に思いました。

それでも、神さまはやっぱりいるんですね。努力は実を結ぶのですね。


なかなか文章では伝わりにくいかもしれませんが、この興奮と感動は想像以上のものがあります。

これは、インターネットを、Amazonを使った新時代の遊びとして流行するだけのポテンシャルを持っていると感じるだけの楽しさを秘めています。

この遊びを社内でも紹介したところ仕事そっちのけでハマる人が続出してしまいました。
誰が一番少ない手数で炊飯機に到達できるか競ったり……。

あなたもぜひ、挑戦してみてください。

おまけ：逆に炊飯機からBLにたどったらどうなのか

ふと、疑問として逆に炊飯機をスタート地点として、BLにたどり着くにはどれくらい手数がいるのかを試してみたくなったので、最後にそちらの軌跡も紹介します。



↓


選択理由：汎用的なキッチン用品のほうが合わせ買いされると思ったため。

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選択理由：まな板は半分消耗品扱いでいろいろなものと合わせ買いされていると思ったため。

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選択理由：あらゆるものとの合わせ買いの可能性があり、手が広がりそうなため。

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選択理由：やっぱりティッシュにはエッチな要素があるため。

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選択理由：とりあえず消耗品。

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選択理由：とりあえず消耗品。

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選択理由：乙女のたしなみ、紅茶。

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選択理由：キャラ物は娯楽作品に繋がるかと思い。

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選択理由：同じくキャラ物であるため。

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選択理由：Blu-rayの懐の広さと手の広がりは実証されているため。

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選択理由：本だから。

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選択理由：雑誌だから。

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選択理由：かなり女性っぽい雑誌だから。

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選択理由：「野性」ですでに勝ちを確信。

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選択理由：もはやBLに見えた。

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選択理由：BLみたいなものだろう。

↓



～到☆達～


手数：18手

感想：BLから抜けるのは大変なのに、BLに至るのはすごくかんたん。

まとめ

• この遊びはすごく楽しい
• Amazonのレコメンドの可能性は無限大
• BL沼からはなかなか抜けられない
• なのにBLの世界への入口はガバガバにあいている
• BLと一般マンガの境界は『ハイキュー！！』

この遊びは本当に楽しくて、ゴールに到達できた時の達成感はものすごくて、ついつい記念にスタートのBL本とゴールの炊飯機をセットで買ってしまいました。

みなさんもぜひ、この楽しさを体感してみてください。

将来的には、かかった手数を競うゲームみたいなものが生まれるのでは、というくらいの楽しさですよ。


それでは、最後に、今回はBLと炊飯機という一見何のつながりもないものがつながるところが「風が吹けば桶屋が儲かる」的に感じたので、それっぽいことわざを残して締めたいと思います。


「BLを読めば米が炊ける」



それでは！

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