台湾総統 中国と台湾は「安定と発展に共同責任」

台湾の蔡英文総統は、みずからの総統就任後、中国が公的な対話の仕組みを停止していることについて、「双方が安定と発展に共同の責任を負っていることを認識してほしい」と述べ、中国に対してこれ以上、関係を冷え込ませるべきではないと呼びかけました。
台湾の蔡英文総統は、ことし5月に就任後、先住民に対する過去の差別的な政策について初めて謝罪するなど、前の国民党政権からの転換を印象づける政策を打ち出しています。
しかし、労働環境の改善など、内政問題への対応が不十分だとして最新の世論調査では、支持率が就任直後からおよそ10ポイント低下し49.2%にとどまりました。
蔡総統は、就任から3か月がたった20日、台北で記者会見し、「改革には時間が必要だ。短期間で成果が見えなくてもおじけづくわけにはいかない」と述べ、台湾経済の立て直しなどに引き続き取り組む姿勢を強調しました。
そして、蔡総統を独立志向が強いと警戒する中国政府が、台湾との公的な対話の仕組みを停止していることについて、「基本的な交流は継続して存在している」と述べ、民間レベルの交流などを通じて中国との関係は安定しているという認識を示しました。
そのうえで、「双方が関係の安定と発展に、共同の責任を負っていることを認識してほしい」と述べ、中国に対してこれ以上、関係を冷え込ませるべきではないと呼びかけました。