「乳活食」考えていますか?母乳が美味しくなるのは和・洋どっち?! 【前編】
赤ちゃんがお腹の中にいるマタニティママの食事は、赤ちゃんの“発育の栄養分”になるので重要です。
さらに、生まれた後の授乳中の食事もとっても大切。母乳は“ママの血液”が原料となって作られるからです。
お母さんの食べているものは、まだ食事がとれない赤ちゃんの代わりに食べているということであり、食事内容によって日々母乳の成分は変化すると言われます。
今回は、前編と後編の2回に渡って、「和食と母乳の関係について」お話したいと思います。
■外国人が驚嘆!たくさんの母乳が出た日本人
江戸時代に近代栄養学を伝えるために来日したドイツ人医師ベルツは「こんなに母乳の出る民族は他に見た事がない」と書き記しています。
しかしそれから150年経った現代の日本では母乳が出なくて悩んだり、乳腺炎を訴えるママが増えています。
ベルツが日本を訪れた時代から現代にかけて、一体どんな変化があったのでしょうか。
母乳と食事が大きく関係していることを考えると、この間に日本の食事が“急激に欧米化した”ことが関係しているように考えられるのです。
■大きく違うのは脂肪の量
和食と洋食を比べた時に大きく違う点の1つが“油の量”です。
同じ野菜でもソテーにしたりドレッシングをかけて食べる洋食と違い、和食はお浸しや和え物、味噌汁などで油を使いません。
お米と食パンを比べても、おにぎり1つと6枚切りの食パン1枚では、脂質の量は10倍も食パンの方が多くなります。
これが惣菜パンや菓子パンになると一層輪をかけて増えていきます。
加えて、乳製品や肉の加工品を多く使う洋食では、食事全体の脂質の量が和食に比べると圧倒的に多くなってしまうのです。
油の量が増えすぎると、血液がドロドロになり、母乳を分泌する乳腺の中を母乳が流れにくくなったり、場合によっては詰まってしまうことも考えられます。
日本は海に囲まれており、古くから魚介類を食生活に取り入れてきました。
魚介類には“EPAやDHA”といったオメガ3系脂肪酸が含まれており、この油は血液の流れを良くする働きがあります。
このように和食と洋食では油の量だけでなく、質にも違いが見られます。
前編では和食と洋食の違いを“脂質”に焦点を当ててお話をしました。
後編は他の栄養素に関しても解説をしていきたいと思います。お楽しみに。
【画像】
※ Ramona Heim、norikko / Shutterstock
【著者略歴】
※ 圓尾 和紀・・・管理栄養士。ファスティングマイスター。大学、海外、大学院で七年間栄養学を学ぶ。病院勤務を経て「予防医療に貢献したい」と思い、独立。現在は「和食」と「ファスティング」を取り入れた生活の提案を行う。
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