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【格闘技】

33歳高山が4度目王座返り咲き 18歳加納を圧倒、負傷判定3−0

2016年8月21日 紙面から

5回、加納陸(右)を攻める高山勝成=駒ケ谷運動公園体育館で

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◇WBOミニマム級王座決定戦

 WBOミニマム級王座決定戦12回戦は20日、兵庫県三田市駒ケ谷運動公園体育館で行われ、日本初の4団体制覇王者・高山勝成(33)が左目上をカットしながら6回58秒、負傷判定3−0で加納陸(18)を退け、国内最多4度目の世界王座返り咲きを果たした。日本選手最多16度目世界戦のキャリアで圧倒。国内最年少18歳9カ月4日での戴冠を狙った若武者の夢を打ち砕いた。33歳3カ月の世界奪取は国内3位の年長記録となった。

 高山が両手でロープをたたいて悔しがった。自らの左まぶた裂傷が試合続行不可能と診断されての6回途中での負傷判定。試合内容は一方的で判定で勝つのは明らかだったが、世界戦16戦目の大ベテランはただ勝つだけでは満足できなかった。

 「残念です。9、10回ぐらいにはKOできるかと思っていたところで中断となったので。加納君も、もっと戦いたかったでしょうし」

 40戦ものキャリアを重ねた高山は両目上を何度も切ってきた。特に左まぶたは昨年9月に切り、この日も3回の軽いバッティング1回で傷口が開き中断の原因となった。

 ただ、短いラウンドでも力は見せた。軽快なフットワークで完全に主導権を握り、接近戦では右の強打で何度も加納をぐらつかせた。本人にはKOを逃したという思いがあっても、誰もが認める世界タイトル返り咲きだった。

 対戦相手の加納は国内最年少18歳9カ月4日での戴冠を目指していた。試合後の高山は「加納君は、正直まだまだです。自分と戦うにはまだ早い」と、率直な感想を口にした。今回で同級の王座獲得が6度目というベテランは、その存在自体がミニマム級の壁となっている。

 リングを離れれば30歳で入学した愛知・菊華高の3年生。「きょうからやっと夏休みに入りました。かき氷が食べたいですね」と笑った高山は、8カ月ぶりのベルトとともに残り少ない夏休みを満喫する。 (藤本敏和)

 

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