スレートは屋根材の一種です。屋根材にはスレートの他にガルバリウム鋼板や瓦などがありますが、スレートは比較的手頃でデザインも豊富というメリットがあります。スレート屋根の特徴や、メンテナンス時の注意点などを理解しておきましょう。
■「スレート」って一体どんな素材?
現在屋根材に使われているスレートには、天然と人工の2種類のタイプがあります。
・天然スレート…薄い板状の粘板岩でできた素材です。スレートの語源は、粘板岩の英語名である「スレート(slate)」から来ています。天然の素材は流通量が安定しておらず費用が高額になるため、現在ではあまり使用されていません。
・人工スレート…セメントと繊維を混ぜあわせて、暑さ4.5〜5mmに成形さられた人工の素材です。加工しやすく持ち運びしやすいため、屋根材として広く普及しています。
□古いスレートの繊維に使われている石綿について
石綿とはアスベストの事で、人体に有害な物質を与える恐れがあるため、平成16年に使用が禁止されました。そのため、現在作られている人工スレートの繊維には、樹脂など非石綿の安全な素材が使われています。なお、石綿を使って作られた古いスレートや断熱材は、経年劣化や解体工事によって繊維を飛散させる恐れがありますので、取扱いには細心の注意が必要です。
■スレートの種類と特徴
□スレートの種類
・化粧スレート…遠くから見るとレンガが積まれたような模様や、横線が入ったデザインになっています。「コロニアル」や「カラーベスト」とは、現在ケイミュー社から発売されている屋根材の商品名のことです。
・波型スレート(大波、小波)…水平方向に波うったような形状をしています。波の大きさから大波スレートと小波スレートと区別して呼ばれています。
□スレート屋根の取り付け方
ルーフィング(防水シート)を敷いた野地板の上に、瓦のように1枚ずつ釘で打って取り付けられます。
□スレート屋根の特徴やデメリット
スレートは部材1枚あたり約3.4〜4kgと軽く、施工しやすいだけでなく豊富なデザインから家の外観を決める事ができます。しかし、素材の性質上割れやすく、約10年ごとに表面の塗装が必要など、定期的なメンテナンスが欠かせない素材でもあります。
■定期的な塗装でスレートを長持ちさせる
屋根は、家の中で最も日光の影響を受けやすい部位です。
長い間日光の熱や紫外線を受け続けて色あせてしまったスレート屋根は、白っぽくなって光沢が落ち、家の美観を損ねてしまいます。また、スレート屋根そのものの耐久性が落ちると、屋根材の下にあるルーフィングが傷み出し、防水の役割を果たせなくなり、雨漏りの原因となってしまいます。外壁のメンテナンス周期である10年を目処に、定期的な屋根の点検を行って、耐候性や防水性の塗料による再塗装を行うと良いでしょう。
アスベスト(石綿)に関するQ&A http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/sekimen/topics/tp050729-1.html
東京都環境局 https://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/faq/asbestos/#Q4
スレートの重さ参照:ケイミュー http://www.kmew.co.jp/shouhin/roof/shohin_shosai.jsp?id=51