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 名古屋市熱田区の宮の渡し公園で15日、民間の戦災死没者追悼祭が開かれた。43回目だが、呼びかけ人だった空襲被災者で全国戦災傷害者連絡会長の杉山千佐子さん(100)は不調で初めて欠席し、約50人が列席。堀川に「平和」などと書かれた灯籠(とうろう)を浮かべた。

 同連絡会メンバーで名古屋市南区の立松美佐子さん(84)は「次は(民間人への)差別がない世の中になるように」と祈った。1945年6月、爆弾の破片が右手に当たったが、小学校の廊下に寝かされ、「痛い」と叫ぶうちに、ひじから先が腐ってしまった。戦後、杉山さんに出会い、国に民間被災者擁護を求めたが、いまだに実らない。「私も出席できるのは、今年が最後になるかもしれない」と語った。(編集委員・伊藤智章)