生活保護法は時代に合わせて変えたほうがいい
人間、経済的に順風満帆なら良いのですが、
病気や失業などで働けなくなって、生活が困窮することがあります。
親戚や知人に援助を頼める人は、
当座をしのいで生活を立て直すことができますが、
そうでない場合は自治体に助けを請うしかありません。
しかし、車やエアコンを持っていると、
「ぜいたく品を所有」しているとみなされて、
申請が却下されることが多いんですよ。
生活保護法はいまから60年以上前の昭和25年にできたので、
当時の社会状況を反映した内容になっています。
確かに戦後まもなくなら、
車やエアコンはお金持ちの持つ「ぜいたく品」だと思いますが、
現代では生活にとってのマストアイテムですね。
田舎に暮らす人にとっては車は貴重な足ですし、
地球温暖化で夏は猛暑なんですから、
エアコンがないと熱中症でたいへんなことになりますよ。
法律はその時代に沿ったものでないと、
思わぬ弊害を生んでしまう恐れがあります。
車とエアコンの所有については、
そろそろ認めてもいいんじゃないかと、個人的には思いますね。
どうしてもお金がない時の切り札のはずが
実は20年ほど前、わが家は夫が突然のリストラにあって、
経済的な大ピンチに追い込まれたことがありました。
私も家計を助けるために働こうと思ったんですが、
先天的な発達障害を抱えている長男を見る人がいなかったので、
やむなく諦めたことがあったんです。
親戚や知人はうちを援助できるほど裕福な人はいないので、
本当に途方に暮れてしまいましたが、
いろいろ調べてこういったものがあるのを知りました。
早い話、国から低金利(場合によっては無利子)でお金を借りるんです。
ただし、誰でもかんたんにできるわけではないんです。
以下の条件に該当しなければ、申請することはできません。
①低所得者世帯
必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯
(市町村民税非課税程度)
②障害者世帯
精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者等の属する世帯
③高齢者世帯
65歳以上の高齢者の属する世帯
以上の世帯であれば、貸付を希望することを申し出ることができます。
生活福祉資金の種類
一般的にはほとんど知られていないんですが、
生活再建や病気の治療、また教育資金など、
様々な形で困窮者をバックアップしてくれる制度です。
しかし、個人的な借金返済にこの制度を利用したり、
滞納する人がいたりするため、
申請しても貸し付けてもらえることはほとんどないそうです。
とくに仕事をなくして困窮している場合は、
失業保険の給付金のほうが優先されるので、
世帯的に条件を満たしていても断られることがあります。
わが家も主人がリストラされた直後に申請したものの、
私がフルタイムで働くよう担当職員に言われるばかりで、
結局、審査を通ることはなかったですね。
その後、主人が仕事が決まり、
親戚からもなんとか援助を受けることができたので、
どうにか食いつなぐことはできました。
生活保護も水際で断るという話がありますが、
この貸付制度はそれ以上にハードルが高いようです。
流れとしてはこんな感じなんですが、
審査の段階でNGになることがほとんどです。
国のほうで社会保障費を削減したいと考えているので、
各自治体もそう簡単には貸付をしないんでしょう。
また連帯保証人が必要になる場合もあるので、
いい制度であるにもかかわらず、
利用に際して二の足を踏む人も多いんですよ。
でも、いちばん酷いと思ったのは、
貸付を断る際の理由なんです。
・複数の借金を抱えている
・以前借りた貸付をまだ返済していない
・収入がない
・就労をしているが収入が低い
・年金を受給しているが収入が低い
上の2つは個人の責任なんで納得ですが、
収入がない人や働いているのに低い人に対して、
貸付を行わないのは冷たいと思いますね。
本人の返済能力が怪しいからということなんでしょうが、
憲法第25条には「生活権の保障」が謳われているのに、
見殺しにするようなやり方は許せません。
「働かざるもの食うべからず」という言葉がありますが、
経済的弱者を救えない社会には未来がないような気がします。
妙香のまとめ
かつての日本は「一億総中流」と言われましたし、
現在もアベノミクスの恩恵で潤っている企業もあります。
しかし、困窮しているせいでライフラインを止められたり、
明日食べるご飯にも困っている人がいるのも事実です。
国にも財源確保などの難しい事情はありますが、
生活福祉資金制度をもっと充実させて、
貧困で苦しむ人を救う希望の道を開いてほしいものです。
申請しても次々に却下するいまのままでは、
せっかくの救済制度も絵に描いた餅ですし、
なんのためにあるのか存在意義を疑います。
日本はもっともっと、
住みやすい社会にならないといけないですね。