月給6万円の駐英北朝鮮公使、生活苦も亡命理由の一つか

 「北朝鮮大使館の職員の暮らしが大変だと知って、ロンドンで暮らす脱北者が、在英韓国人と共にラーメンや米袋を支援してあげたこともあります」

 英国ロンドンの脱北者団体「在英朝鮮人協会」のチェ・ジュンファ会長(50)は19日、本紙の電話インタビューに応じ、「テ・ヨンホ公使が亡命を選んだ理由の一つには、駐英北朝鮮大使館の深刻な経済難もあるだろう」と語った。咸鏡北道清津出身のチェ会長は2007年に英国に定着、13年から在英朝鮮人連合会の会長を務めている。

 駐英北朝鮮大使館は、ロンドン西部のある住宅を大使館として使用している。合計5世帯と推定される北朝鮮外交官の家族は、大使館の2階で暮らしている。北朝鮮の外交官は、生活必需品の調達が困難なほど苦しい暮らしをしているという。

 チェ会長は「北朝鮮大使館の人が半月に一度、何人かずつ組になって車に乗り、在英韓国人の店に食料品などを買いに来る。財布に入れておく金がないのか、いつもしわくちゃになったわずかな札をポケットから出して支払いを済ませる」「ある時、子どもも連れてきていたが、おやつをせがまれても買ってやることができず、ラーメンや米、カンジャン(韓国しょうゆ)、テンジャン(韓国みそ)など副食の材料だけを買っていった」「北朝鮮外交官は、デパートや一般のショッピングモールにはいかず、日曜日ごとにロンドン郊外で開かれる伝統市場に出掛けて、古着や中古品を買って暮らしている。市場や店で脱北者に会うと、頭を下げたり、恥ずかしそうに避けていく」と語った。

 イギリス駐在の北朝鮮外交官が現地の韓人協会や在留韓国人団体にアプローチし、人道支援を求めることもあるという。チェ会長は「現地英国の脱北者は、北朝鮮外交官の姿を見て『外交官なのに何なのか。いつも物乞いをして回って……。自分たちの方がずっとまし』と言っている。北朝鮮大使館のことを『物乞い屋敷』と呼んでいる」と語った。

キム・ミョンソン記者
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