広島の土砂災害から2年 遺族などが祈り
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77人が犠牲となった、おととしの広島市の土砂災害から20日で2年になりました。被災地では遺族などが亡くなった人たちに鎮魂の祈りをささげています。
おととし8月20日に広島市で起きた土砂災害では、集中豪雨によって166か所で土石流やがけ崩れが発生し、災害関連死の3人を含め、土砂災害としては平成に入ってから最悪の77人が犠牲になりました。
災害から2年となる20日は、被害が起きた未明から遺族などが被災地を訪れ、鎮魂の祈りをささげています。
このうち、土砂に巻き込まれて住民2人が亡くなった広島市安佐南区八木3丁目の県営緑丘住宅では、住宅の前に設けられた献花台の周辺で、追悼のためのろうそくに火がともされ、午前3時ごろから遺族や地元の人たちが集まりました。
新婚生活を始めたばかりで亡くなった湯浅康弘さん(当時29歳)とみなみさん(当時28歳)夫妻の両親やきょうだいも訪れ、みなみさんの母親の若松直美さん(54)は「去年ここへ来たときは被災当時の思いがまだ残っていましたが、ことしは自分の中で気持ちの整理ができました。これからもできるだけここに来て娘たちを思い出したい」と話していました。
また、住民4人が亡くなった広島市安佐南区八木3丁目の阿武の里団地では、兄夫婦を亡くした遺族の立川新三さんが(79)、亡くなった兄・洋二さん(当時81歳)の自宅の跡地を訪れ、手を合わせながら静かに祈りをささげていました。
立川さんは「おととしのこの日、人が土砂の下敷きになった様子やがれきの山ができていたことを思い出します。何もできなかった思いを今でも背負っています。一方で、新しい町づくりも進み、安全できれいな町になることを見届けたい」と話していました。
災害から2年となる20日は、被害が起きた未明から遺族などが被災地を訪れ、鎮魂の祈りをささげています。
このうち、土砂に巻き込まれて住民2人が亡くなった広島市安佐南区八木3丁目の県営緑丘住宅では、住宅の前に設けられた献花台の周辺で、追悼のためのろうそくに火がともされ、午前3時ごろから遺族や地元の人たちが集まりました。
新婚生活を始めたばかりで亡くなった湯浅康弘さん(当時29歳)とみなみさん(当時28歳)夫妻の両親やきょうだいも訪れ、みなみさんの母親の若松直美さん(54)は「去年ここへ来たときは被災当時の思いがまだ残っていましたが、ことしは自分の中で気持ちの整理ができました。これからもできるだけここに来て娘たちを思い出したい」と話していました。
また、住民4人が亡くなった広島市安佐南区八木3丁目の阿武の里団地では、兄夫婦を亡くした遺族の立川新三さんが(79)、亡くなった兄・洋二さん(当時81歳)の自宅の跡地を訪れ、手を合わせながら静かに祈りをささげていました。
立川さんは「おととしのこの日、人が土砂の下敷きになった様子やがれきの山ができていたことを思い出します。何もできなかった思いを今でも背負っています。一方で、新しい町づくりも進み、安全できれいな町になることを見届けたい」と話していました。
復旧・復興進むも人口減少が課題に
広島市の土砂災害の被災地では、この2年間、復旧・復興や防災対策の工事が進められてきました。
このうち、新たな土砂崩れに備えるため、国と県が緊急に行っている砂防ダムの工事は、予定の31か所のうち28か所で完成しました。
また、災害の際に住民の避難に使うため、広島市が整備を進めている「広域避難路」は、早ければことし秋にも一部の地域で着工する予定です。
一方、住宅再建の難しさや土砂災害の懸念から、住み慣れた土地を離れる人もいて、被害が大きかった地区の多くで人口が減少しています。
このうち、最も多くの犠牲者が出た安佐南区の八木3丁目では、災害が起きる前のおととし7月に2400人余りいた住民が、先月末現在で1900人余りと、およそ20%減りました。
被災地の復旧・復興や防災対策が進むなか、どのようにして人口の減少を食い止め、地域のコミュニティーを維持していくかが課題となっています。
このうち、新たな土砂崩れに備えるため、国と県が緊急に行っている砂防ダムの工事は、予定の31か所のうち28か所で完成しました。
また、災害の際に住民の避難に使うため、広島市が整備を進めている「広域避難路」は、早ければことし秋にも一部の地域で着工する予定です。
一方、住宅再建の難しさや土砂災害の懸念から、住み慣れた土地を離れる人もいて、被害が大きかった地区の多くで人口が減少しています。
このうち、最も多くの犠牲者が出た安佐南区の八木3丁目では、災害が起きる前のおととし7月に2400人余りいた住民が、先月末現在で1900人余りと、およそ20%減りました。
被災地の復旧・復興や防災対策が進むなか、どのようにして人口の減少を食い止め、地域のコミュニティーを維持していくかが課題となっています。