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2016年08月19日 08時49分 UPDATE

「喜ぶのはまだ早い」鴻海のシャープ買収完了 Apple不振が直撃 (1/3)

鴻海傘下で経営再建を目指すシャープにとって、Appleへの依存が足かせになりそうだ。

[産経新聞]
産経新聞

 台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業傘下で経営再建を目指すシャープにとって、米アップルへの依存が足かせになりそうだ。平成28年4〜6月期連結決算では、アップルの不振が直撃し売上高が前年同期比の3割減と深刻な状態に陥った。今後、次世代パネルの「有機EL」の開発を進めアップルへの納入を図ることになるが、開発の原資となる鴻海からの出資が遅れ、8月になってようやく実現。しかし有機ELをめぐってはすでに韓国勢が台頭しており、巻き返しは決して容易でない。(織田淳嗣)

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「親日」演出するアップルだが……

 「売上高下落は、特定顧客向けということになる。第2四半期以降、体質を固めたところで、売り上げを拡大していきたい」

 7月29日に行われたシャープの決算会見で野村勝明副社長はこう述べ、アップルの不振が直撃したことを認めた。

 その3日前の26日、アップルが発表した2016年4〜6月期の最終利益は前年同期比27%減の78億ドルとなった。昨年発売したスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の売り上げが伸び悩んでいることが要因だ。世界販売台数が前年同期比15%減の4039万9千台で2期連続で減少した。地域別では、中国地域が33%の大幅減。現地メーカーが比較的安価かつ高性能なスマホの量産に成功しており、打撃をうけた形だ。

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