読者の意見:五輪で負けた選手を侮辱する韓国ネット社会

 リオデジャネイロ・オリンピックも終盤にさしかかった。韓国は金メダル10個、総合順位10位を意味するいわゆる「10-10目標」を設定し選手たちも奮闘している。選手たちには最後まで最善を尽くし、目標を達成して凱旋(がいせん)してくることを期待している。

 一方で残念な結果に終わった選手への一部の行き過ぎた非難や攻撃はあまりにも目に余る。とりわけ金メダルが大きく期待されながら結果を残せなかった選手や、団体種目で不振だったチームへの非難がひどい。例えば水泳の朴泰桓(パク・テファン)選手、サッカーのソン・フンミン選手、さらには女子バレーボールの朴正我(パク・チョンア)選手を非難するコメントは今も続いており、おそらくオリンピックが終わっても収まらないのではないだろうか。非難の声は選手個人のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)にまで及んでおり、ショックを受けた選手の中にはIDを閉鎖するケースも出ている。

 選手たちに声援を送る国民も、もちろん残念な結果には大きな悔いが残るが、4年にわたり厳しい練習に耐えてきた選手たちの方がはるかに悔しい思いをしているはずだ。そのような選手たちに「ドーピング」「軍隊」「年金」「縁故」などの言葉を使って侮辱し、あざける行為はどう考えても行き過ぎている。

 このような悪意に満ちた非難は「1位でなければ価値がない」というゆがんだ風潮を一層社会に広める恐れがあり、必死の努力を続ける選手たちにも悪い影響を及ぼす恐れがある。どうしても指摘すべき問題がある場合は、選手個人ではなく選抜方式や練習方法など、構造的な側面から見いだすべきだ。誰もが代表選手たちの立場を考え、有終の美を飾れるよう温かい声援を送ってほしいと思う。

キム・ミンスさん(釜山市沙下区)
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