吉田沙保里(33)と伊調馨(32)=写真=は日本のレスリング女子界の「生きる伝説」だ。伊調馨は18日(韓国時間)に行われたリオ五輪レスリング女子58キロ級決勝でワレリア・コブロワゾロボワ(23)=ロシア=に3-2で勝ち、金メダルを手にした。レスリング女子が正式種目に採択された2004年アテネ五輪から12年のロンドン大会まで63キロ級で、今大会では階級を下げて58キロ級で優勝し、4大会連続の五輪金メダルを獲得した。
世界選手権13連覇に輝く吉田沙保里も五輪4大会連続金メダルを目指す。これまで55キロ級に出場していた吉田沙保里は、国際連盟の階級調整に応じて今回は53キロ級に出場する。
日本女子レスリング界で活躍しているのはベテランばかりではない。18日の48キロ級で登坂絵莉(22)、69キロ級で土性沙羅(21)が金メダルを獲得した。63キロ級の川井梨紗子(21)と75キロ級の渡利璃穏(24)も金メダル候補だ。今回の五輪では4階級から6階級に増えたが、日本の目標は全階級制覇だ。
レスリング界では「やまとなでしこ(日本の女性を指す花の名前)がマット上で活躍しているのには訳がある」と言われている。日本人選手たちの練習量は想像を絶する。自分より体重が重い選手2人を背負ったまま腕の力だけでロープ登りをしたり、自衛隊の軍事訓練を行ったりすることもある。女子レスリングは体のどこでも攻撃できるフリースタイルしかないが、身長が低い日本人選手たちは重心が低く、下半身の攻撃と守備に有利だという見方もある。日本はあまり注目されていない種目のレスリング女子制覇を目指し、早くから全国の有望選手を育成、訓練施設への投資を増やして、事実上「宗主国」的な役割を果たしてきた。韓国は1人も出場できなかった。