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異例の事態、市議が資産報告を2年連続で拒否 福岡県嘉麻市

西日本新聞 8月19日(金)11時51分配信

 福岡県嘉麻市の森丈夫市議(79)=無所属、3期目=が、市政治倫理条例で義務付けられた資産報告書の提出を前年に続いて拒否していることが分かった。森市議は「条例には不備があるため出さない」と主張。2年連続の提出拒否という異例の事態に、市議会では「未提出議員への罰則など対応策が必要」との声が出ている。

 市政治倫理条例は、市長ら特別職3人と市議全18人に対し、本人と配偶者らの預貯金など1月1日現在の資産と、前年1年間の収入を報告書にまとめ、5月末までに提出するよう義務付けている。

 森市議は2014年まで毎年報告書を出していたが、昨年は提出を拒否。今年も期限内に出さず、7月上旬に宮原由光議長(68)らから提出を促されたが、応じなかった。

 森市議は取材に対し「条例にはいくつも抜け道があり、正しく資産を公開できていない。不備を訴えるため昨年からあえて提出していない」と答えた。

 市政治倫理条例には未提出者への罰則は盛り込まれておらず、有識者でつくる市政治倫理審査会は昨年8月、条例改正を求める意見書を市に提出していた。

 その後、市議会に具体的な動きはなかったが、今年も1市議のみ未提出が続くことになり、18日の議会運営委員会で、宮原議長が「(森市議に対して)議会としても対応すべきだ」と発言。対応策を検討する議会改革の調査特別委員会を設置するよう求めた。議運委は設置の是非や協議内容について今後話し合う。

 議運委後、宮原議長は「政倫条例を改正して未提出議員への罰則を盛り込むなど、前向きに議論したい」と話した。

=2016/08/19付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:8月19日(金)15時57分

西日本新聞

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