2016年8月19日03時39分
昨年の夏、普段通りオフィスで仕事をしていた東レ経営研究所の渥美由喜さん(48)のもとに突然、人事担当者がやってきて、一枚の紙を手渡した。「部長職から課長職に職務を変更する」。降格人事の辞令だった。給料は4割下がった。
20年近くワーク・ライフ・バランスの研究をしてきた。ここ数年、講演やメディアでの発言が増え、社会の関心が高まっているという手応えを感じていた。
会社が挙げた降格理由は、納得できないような「ささいなこと」ばかりと感じた。自分で思い当たることがあった。労働法制をめぐり、親会社の元会長がトップを務める経団連とは違う主張を、メディアで繰り返していた。研究者として、社会をよくしようという思いでやってきたのに、「がんばってきたことがあっけなく否定された」。ショックだった。
課長職とはいうものの、実際は…
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朝日新聞社会部
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