「学歴・頭のIQ」で、「仕事能力」は判断できない。仕事ができるかどうかは、「仕事のIQ」にかかっている。
『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(ミセス・パンプキンとの共著)が合わせて21万部突破の大ベストセラーになった「グローバルエリート」ことムーギー・キム氏。
彼が2年半の歳月をかけて「仕事のIQの高め方」について完全に書き下ろした最新刊『最強の働き方――世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ77の教訓』が、発売わずか2週間で7万部を超えるベストセラーになっている。本記事では、ムーギー氏が「世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ教訓」の数々を、『最強の働き方』を再編集しながら紹介する。
■ 「頭の良さ」と「話し方のスキル」はまるで関係ない
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「この人、頭はいいのに、どうやったらこんなに下手な話し方で、つまらない話ばかりできるんやろう……」
世界中の職場で働いてきて感じることは、「頭の良さと話し方のスキルはまるで関係ない」という厳然たる事実である。
頭はキレて学歴も高いのに、話がつまらない人は驚くほど多い。その一方で、学歴や職歴はパッとしないのに「この人は、本当に魅力的な話し方をするな……」と感心する人も数多く存在する。
頭脳明晰とはほど遠くても、話し方が魅力的な人は「会話が上手い」というだけで、頭のIQや学歴でつくわずかな差より格段に大きな仕事と報酬を、がっぽり持っていってしまうのだ。
今回は、世界中の「話し方」がうまい人、下手な人を観察してたどり着いた「一流と二流の分かれ目」を紹介しつつ、では「仕事のIQ」が高い「一流の話し方」はどうすればできるのか、その秘訣を解説したい。
「永遠に二流の人の話し方」で真っ先に思い浮かぶ特徴は、「相手が聞きたいことも、自分が話したいこともわかっていない」ことである。
■ あなたの話は「独り言」ではありませんか?
【1】「相手の興味・ニーズ」を理解せずにペラペラ話す
会話能力が低い人は往々にして、「相手が何に興味をもっているか」を見事なほどに察知しない。
彼ら彼女らは退屈な話をいかにも「全人類の共通関心事項」ないし、「自分の話すことはすべて、世紀の一大発見」であるかのように、ポイントレスに話し続ける。
検索エンジンが発達したこのご時世、人と話すときに重要なのは、相手のニーズ・関心事項を事細かに聞きながら進めることである。ネットとグーグル、ヤフーのおかげで、会話において人は関心のあるトピックにどんどん飛んでいく傾向が強まっており、ダラダラとポイントのない的外れな会話に対する聞き手の怒りは、容赦ないものになっている。
「相手のニーズを理解しないで進める話は、もはや完全に独り言で、コミュニケーションでも何でもない」と肝に銘じなければならない。
【2】「的外れな自己アピール」をしまくる
二流の話し方しかできない人は結果的に、相手の興味を踏まえないので、「的外れなアピール」をしまくって周囲を唖然とさせる。
同じ商品・サービスを売るにしても、相手のタイプによって「どんなストーリーが刺さるか」は変わってくる。相手のニーズや価値観を踏まえたうえで、それに応じたストーリーを奏でないと、相手の心には響かない。
これは私たちが、狙っている意中の相手にアプローチするときを考えるとわかりやすいだろう。
もし相手が重視するのが「家庭重視の男性像」なら、いかにあなたが奥さんに尽くすタイプで、週末は子どもをディズニーランドに連れて行くのが夢であるかをアピールしなければならない。
反面、相手が求めるのが「経済的な安定性」なら、その彼女に「ディズニーランドうんぬん」をアピールしても無駄である。むしろいかに貯蓄志向で、リスクを嫌い、安定運用を心がけているか、隙あらば貯金が趣味だという「相手のツボにはまるストーリー」を打ち出さなければ、彼女には響かないのだ。
人によって「刺さるストーリー」は変わることをくれぐれも忘れてはいけない。相手のニーズや興味を無視した「的外れの自己アピール」では、相手の心に響くわけがないのだ。
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