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高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

またゼロ成長 リオの喧騒にカキ消された「悲惨なGDP」

 新聞もテレビも報道はリオ五輪一色で「ときどきSMAP解散」といった具合だ。安倍首相も長期休暇をたっぷり取って、山梨の別荘でゴルフ三昧である。平和なお盆休みムードの中、4~6月期のGDP速報値がさりげなく発表された。

 メダルラッシュの喧噪に埋もれ、どのメディアとも検証や議論を行う気すらないようだが、今回のGDPは3年半続くアベノミクスの効果はなにも発揮されていないことを改めて裏付けている。

 実質GDPの伸び率は前期比0.048%。100分の1秒を争うオリンピック選手ではあるまいし、0.0%未満のプラスは「ゼロ成長」に等しい。

 個人消費も0.2%増と振るわない。設備投資にいたっては0.4%減と2期連続のマイナスだ。良かったのは住宅投資の5%増くらいなもの。異次元緩和の円安効果も消え失せ、輸出も1.5%減だ。

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