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八木秀次氏ら極右の人たちは天皇の生前退位に反対しているが、これほどの身勝手な主張はない

天皇が生前退位を希望しています。国民の多くが賛同しています。
 煽られた世論でもありますが、天皇をやめたいと言っているのダメという理屈はどう考えても出てきません。

 しかし、極右の人たちは、生前退位に断固として反対しています。天皇制の基盤が揺らぐというのはその理由です。
天皇の尊さ踏まえ慎重な検討を 麗澤大学教授・八木秀次」(産経新聞2016年8月17日)

 天皇の生前退位を認めれば、①政争の具となる、②皇位継承者がやりたくないといえばそれを認めざるを得なくなる、というのが骨子です。

 おもしろいです。
「明治時代の皇室典範の起草を主導した伊藤博文らは、皇室の歴史を入念に研究・調査した上で、退位・譲位の慣行は皇室本来の伝統ではなく仏教の影響であり、それを許せば、天皇の地位が不安定になり、国家が分裂するとして、代表例に南北朝の混乱を挙げている。」

 当時の明治政府は、幕藩体制を廃止しつつも中央集権体制を作りつつありましたが、薩長間の確執やそれぞれ薩摩、長州の藩内での確執など(西南戦争のような)内戦の可能性がいくらでもあった時代ですから、国家分裂の危機を考えていたとしても、明治維新という動乱の時代であれば合点はいきます。
 ただ、その例として引き合いにだしているのが南北朝であることにはいささか違和感がありますし、ましてやそれを八木氏が現代の問題にそのまま引き合いに出すのは、むしろ滑稽ですらあります。

  南北朝時代の再来?

 後醍醐天皇登場! ここまで話はさかのぼらなければならないのだろうか?
後醍醐天皇

 現在の皇室で具体的に考えれば、政争の具として、例えば、自民党が皇太子を擁立し、民進党が弟秋篠宮を担ぐという構図ですか?
 それとも軍部(自衛隊)が悠仁親王を担ぎ出してクーデターを決行するのですか。

 八木氏が何を想定しているのか聞いてみたいです。

 また八木氏は次のようにも述べています。
「天皇の自由意思による退位・譲位を認めると例えば、気に入らない総理大臣を任命したくないために退位を表明したり、表明させられたりするなどして、天皇の信任を得られない総理としてのダメージを与えることも考えられる」

 安倍氏が一番、嫌われていそうですね。稲田氏も同類です。
 とある内閣総理大臣の組閣のときに合わせて天皇が退位するとなると、確かに政治的な影響は大きいでしょう。
 この場合、思い起こすのは天皇の次の言葉です。
「学習院高等部2年の社会科の授業の際、「再軍備について」というテーマでのクラス討論において、皇太子は、「再軍備には絶対反対である。諸外国を不当に刺激する恐れがある」
 学友にたいして、「自分はあくまで新憲法を遵守する。…自分が天皇になった際、情況で『開戦の詔勅』の署名を求められる事態になったら、断固これを拒否する」
『戦後政治史の天皇制』渡辺治著より」


 戦争だ、海外派兵と時の政権が始めたときに、天皇が「退位します」なんてやられたら冷や水どころではありません。
(逆パターンは全く想定できません。)

 確かに天皇が「信任」するしないでもって、国民が影響を受けるのかといえば、確かに世論調査も誘導されているところからすればかなり影響は受けそうです。
 この問題は、政治性の問題もさることながら、やりたくないって言っている人に対して、「やれ!」なんて言えるんですか、という問題です。
 天皇になりたくないから、あらかじめ「辞退」も当然に認めるべきでしょうし、ひいては皇室離脱の自由も当然の帰結です。
天皇の生前退位以外に議論すべき問題などあるのか、あるとすれば皇室離脱の自由だ

 八木氏は、危機感を露骨に示しています。
「退位・譲位の反映として皇位継承権のある男性皇族が天皇の位に就かないことも可能かとの問題も生じる。全員がお断りになれば、皇室は存立し得ない。恐るべき事態の到来となる。」

 天皇制が危うくなる…、それも仕方ないことですよ。皇室の人たちだけに犠牲を押し付ける制度が長続きするとも思えません。
 天皇が平安時代のような貴族として和歌でも詠んで優雅に特権的地位を享受していた時代とは違うのです。

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