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僕が部下のメールを添削する理由

チーム一丸で「一つのお手玉」に集中するために

2016年8月19日(金)

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 読者の皆さんは、前々回の記事を覚えているだろうか? そうだ、テキサス州ヒューストンでの人材採用について意見が食い違い、僕が盟友ラースさんと激論を交わしたという、あの記事だ。

 結局その時の候補者を採用できなかった僕たちは、次なる候補者を求めて旅に出ていた。友人・知人に当たったりはするものの、いかんせん採用の地は僕たちが日々活動するカリフォルニア州サンノゼではなく、遥か彼方のテキサス州ヒューストンだ。ラースさんの友人を辿るといっても、そこには限界があった。

 6月に入ると、僕は手当たり次第にアメリカの人材紹介企業などのウェブページを見つけては、「こういう人材と一緒に働きたいのだが、心当たりはないでしょうか?」というメールを送っていた。米国本社のサンノゼで一緒に働く、通称ヨネ(=米村さん:日本から赴任しているエンジニア)からお願いされていた、「採用した人にロボット関連の技術を教え込むのに、ほんの少しだけであっても日本語が理解できるほうが望ましい」という条件が、採用をさらに困難なものにしていた。

感じの良い加賀谷さんがたまたま見つけたのは…

 そうこうしているうち、僕はこうして手当たり次第に送っていたメールを通じて、パソナ・ニューヨークの加賀谷さんに出会った。何というか、メール一本、電話一本にしても、やたら感じが良い人で、何というか直感的に信用できそうな人だなと感じた。

 そんなある日、彼女から連絡があった。「たまたまものすごく良い候補者が見つかった」というのだ。

 いやいやちょっと待てよ、人材会社の「たまたまものすごく良い候補者が見つかった」なんて、そんな甘い言葉に引っかかるほど僕は「やわ」な経営者じゃないはずだ。通常、人材会社の「たまたまものすごく良い候補者が見つかった」は、よく僕のアメリカ携帯に電話がかかってくる「お客さんラッキー!なんとあなたにバハマ旅行が当選しました!」にも近い怪しさがあるじゃないか。いかんいかん、ここはアメリカ、騙されちゃいけない。世の中そんなに甘くないんだ。

 しかし、でも、まあそれでも、あの感じの良い加賀谷さんが言うんだから、まあ可能性はあるかも知れないよな。ラースさんとの出会いを通じて、人間を積極的に信用することは、人生においてとても重要なことなのだと、このあいだ自分に言い聞かせたばかりだ。

 その候補者に、一回会ってみようか。

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「僕が部下のメールを添削する理由」の著者

加藤 崇

加藤 崇(かとう・たかし)

加藤崇事務所代表

1978年生まれ。早稲田大学理工学部卒。東京三菱銀行、KPMG日本法人、技術系ベンチャー企業社長などを経て、2013年、ヒト型ロボットベンチャーSCHAFTをグーグルに売却し、世界から注目を集めた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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