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 米大統領選の共和党候補トランプ氏が陣営の最高責任者に、保守系サイト「ブライトバート・ニュース」の会長、スティーブン・バノン氏を起用することを決めた。選挙戦にてこ入れし民主党候補クリントン氏との支持率の差を縮めるためだが、バノン氏は、陰謀説を流すなど「最も危険な政治職人」とも称される人物だ。

 「私は勝ちたい」「だから勝利を愛し、勝ち方を知っている人物を(陣営に)招くのです」

 朝刊1面でバノン氏起用のスクープを放った米ウォールストリート・ジャーナル紙のラングレー記者が16日夜、本選まで3カ月を切った時期に選対幹部を追加する異例人事の理由を尋ねると、トランプ氏はこう答えたという。

 1年以上前に始まった大統領選挙。およそ政治家らしくない奔放な言動で注目を集め、共和党予備選を勝ち抜いたトランプ氏だが、7月下旬の党大会以降はクリントン氏を相手に苦戦が続いた。

 各種世論調査の平均値では、トランプ氏は共和党大会の直後にクリントン氏を上回った。しかし、イラクで戦死したイスラム教徒の米兵の遺族から民主党大会で批判され、それにトランプ氏が中傷でやり返した頃から、支持率の下降が始まった。

 今では選挙結果を左右するといわれる激戦区で軒並みクリントン氏に負けているほか、従来は共和党が強いエリアでも、ジョージア州など接戦に持ち込まれる州が出ている。

 主に共和党員が参加する予備選に比べ、より広い支持層に訴える必要がある本選に向けて、トランプ氏が「大統領らしくなる」「過激発言を控える」との観測も出ていた。6月にはプロの選挙コンサルタント、マナフォート氏を選対本部長に迎え、挙党態勢をめざし、党主流派との協調が図られたが、期待したような伸びは見られなかった。

 そこで起用されたのが、自身と…

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