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「地方分権を柱に改憲の議論を」 知事会見

 大村秀章知事は十九日の定例会見で、改憲勢力が改憲発議に必要な三分の二を超えた参院選(十日投開票)の結果に言及し、「改憲は自民の党是。議論されるだろうし、議論されないとおかしい」と述べた。憲法九条が戦後日本の平和に果たした役割を評価しつつ、地方分権を柱に積極的に改憲の議論をするべきだとの持論を示した。十〜十六日の渡欧後、初の記者会見だった。

 安倍晋三首相の発言などによると、今後、衆参の憲法審査会で改憲内容を議論し、改憲原案を作成。衆参総議員の三分の二以上の賛成で可決されれば、六十日以降、百八十日以内に国民投票が実施される。有効投票総数の過半数の賛成で、改憲となる。

 知事は「憲法九条やその精神が、戦後の日本、アジア太平洋地域の平和、安全に大きな役割を果たしてきたことを率直に評価する」と語った。

 憲法九条に手を付けることなく、しかし「時代に合わせ、フレキシブルに(改憲を)是々非々で検討、議論するべきだ」と続けた。

 具体的に改憲項目として挙げたのが、地方分権。欧米での成長モデルを強調し「分権をどんどん進め、各地方が独自に施策を展開すれば、日本全体の成長につながる。国会で議論を練り上げてほしい。地方分権を進めることに、各党の表立った反対はないのではないか」と述べた。

 知事は参院選が投開票された十日夜、選挙中も応援演説した自民、民進、公明の各陣営を回り、上京。十一日未明に渡欧した。

 英国、フランスを訪問し、世界最大級の航空産業展示会「ファンボロー国際航空ショー」に参加し、ボーイング社やエアバス社の幹部とも面談。県内の航空機産業を売り込み、関係強化を図った。

 仏南部ニースで十四日夜に起きたテロ事件時は、エアバス本社がある仏南西部トゥールーズに滞在。「夕食中に警備が多いなぁと思ったが、まさかテロとは。翌日朝の報道で知った」と語った。

 廃棄食品の不正転売事件で産業廃棄物処理業、ダイコー(稲沢市)の会長らが食品衛生法違反容疑などで逮捕されたことにも言及。ダイコーに残る廃棄物の撤去作業に「逮捕による影響は生じていない」と述べた。

 排出事業者が判明した廃棄物は七十七社が千百六十二トンを回収。排出元不明分も十五日までに八十三トンを撤去したと明らかにした。

 (豊田雄二郎、奥田哲平)

 

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