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shi3zの長文日記 RSSフィード Twitter

2016-08-18

タイトルむずかしい 06:57

 ようやく書き上がった新刊を見て、タイトルがつけられなくて困っている。

 内容は基本的には僕がいろんな人達に話を聞いて、それをまとめただけのものだ。


 今回ばかりは本当に面白い。

 まあ僕が書く本は基本的に僕のツボなのでどれも僕にとっては面白いんだけど、今回は僕が会いたい人に会って、聞きたいことを聞いた本なので自分にとって本当にツボだ。


 ただ、そのぶん、テーマ性はあるものの、生活にごく身近なところから人類の未来まで、壮絶なスケールのギャップがあって悩む。とっつきやすさとスケールの大きさという意味では「トップをねらえ!」的な感覚の本ではある。


 でも映像作品と違って、本はあんまり口コミで広がらない。制作するのに異常なコストがかかる映像作品と違い、比較的低予算で作れる本はロングテールすぎるので、これを口コミだけで広めていこうというのはどだい無理な話である。


 だからタイトルは重要だし、タイトルによって売れ行きが決定してしまうと言っても過言ではない。


 シン・ゴジラも名前つけるの悩んだんだろうなあというのは想像に難くない。

 ちなみにシン・ゴジラの英語版タイトルは GODZZILA Resurgence(ゴジラ・リサージェンス)


 なんか大コケしてるという噂のインディペンデンス・デイ・リサージェンスを髣髴とさせる不安感。もっと別の名前が良かったのではないか。まあ余計なお世話だろうけど。


 ところでいろんなレビューサイトで絶賛されているシン・ゴジラだけど、たまに☆ひとつみたいなレビューを見ることがある。


 それはそれで個人の好みの問題だから「へー」と思うんだけど、内容を読んでみると「まあそういう批判は織り込み済みの脚本だよねー」とニヤニヤしてしまう。


 ふつう☆がひとつ、つまり評価が低いレビューというのは、製作者の意図していなかった痛いところを突くものだけど、今回のシン・ゴジラに関しては「こういう批判が来るだろうな」というのを制作者側が完全に読みきっているであろうことが観客に伝わるつくりになっている。


 「ゴジラらしくない。もっと昔みたいなゴジラが見たかった」みたいな感想ってのは、「そういう人にあわせてゴジラを作っていたから日本の怪獣映画は衰退したんだよ」としか思わないし、「エヴァすぎる」という指摘に関しては「だって庵野秀明だし。エヴァ知ってるってことはそういう覚悟で見に来たんですよね?」としか思えない


 「シン・ゴジラ」が「シン・ゴジラ」というタイトルになった理由

 それはこれはゴジラであってゴジラでない、という意志の表明・・・なんだろうな、きっと。


 でもまあ、正直、タイトルだけ聞いた時はコケると思ったもんな。


 「なんか思い入れ強すぎない?」という不安が僕を襲った。


 だってよ。

 庵野さんの特撮作品といえば、「帰ってきたウルトラマン」とか「キューティハニー」なわけで、ようするに「どストレート」なタイトルが多いわけ。


 だから普通に庵野さんがゴジラのパロディを作ろうとしたら、ズバリ「ゴジラ」で良かったと思う。「ゴジラ、東京に現る」とか、「帰ってきたゴジラ」とかになると思うんだよね。それかもっとシンプルに「ゴジラvs日本」とか。


 それが「シン・ゴジラ」というタイトルは、もはやなにがなんだかわからない。

 シンが意味するものが、シン・エヴァンゲリオンなのか、真なのか新なのかわからない、英語にもしづらい(だからリサージェンス(復活)なんていうまるで的外れなタイトルがついてしまった)


 だからものすごく不安になったんだけど、これはむしろ作戦だったわけだ。不安にする作戦。内容は間違いなく面白いんだから、劇場まで来ればシンに込められた意味を理解できるよね?という作戦。

 

 まあでもこれは、どれだけ不安でもコアな特撮ファンとコアな庵野さんファンは必ず初日に劇場に来るだろうという、ゴジラと庵野さんだからできる作戦であって、普通は無理。だから命名法として参考にならないんだよなあ。



 ちなみに個人的な経験としては本のタイトルはどストレートなものの方が売れると思う。

 ちょっとでもヒネると売れない。


 特に入門書の類はね


 でもストレートこそが難しい。

 


 うーむ