さぁ、「百獣の王」武井壮さんを倒す準備はできた(脳内で)。
我が家にある地下室への入り口のドアを開く(脳内で)。
するとそこには圧倒的オーラを放つ「百獣の王」武井壮さんが仁王立ちしていた(脳内で)。
私が「準備はいいかい?」と静かに言い放つと、「百獣の王」武井壮さんは無言で頷く(脳内で)。
もはや言葉は不要。お互い構える。お互いの視野が交差する。
レフィリーはいらない。ゴングもいらない。お互いが動く。
それが試合開始の合図だ(脳内で)。
こうして、「百獣の王」武井壮さんとのバトルは始まった(脳内で)。
こういう風に。
「絵が下手すぎ!」
というツッコミはなしでお願いしたい。
私に絵心がないのは自分でも承知だ。
しかし今回の記事を書くにあたって、私の文章力では読者たちを想像させ、楽しませる自信がなかったので、絵も加えさせていただいた。
結果はご覧の有様だよ!だが、ないよりはマシだと思う。いや、思いたい。
まずはワンツーから
試合開始と共に、まずは私から攻めてみた。
ワンツーで敵の反応を見る。ワンツーは左ジャブに右ストレート。
要するに連続パンチというやつだ。速いパンチに強いパンチを組み合わせての。
このワンツーは軽目に、だがスピードはしっかりのせる。
すると、
途端に武井さんが苦渋の顔を浮かべる。
私は「やはり」と確信した。
武井さんは格闘技の経験はないのだと。特に人とガチで戦うのは初めてだと。
明らかに動揺しており、ワンツーという分かりきった攻撃をさばくどころが、モロに受けている。それでもしっかりガード出来ているのはさすが。
私は空手で顔面を殴るのは禁止というルール縛りがあるため、ワンツーは相手の胸や腹部目掛けて放っている。
次は右ストレート!
これも惜しくも、寸前でガードされる。
やはりこの反応速度。「百獣の王」は伊達じゃない。
しかし、未知の攻撃に対する武井さんの動揺の顔は隠せていない。
私は一気にたたみかける!
私の放った下段回し蹴り(ローキック)が、武井さんの左足にヒットする!
ゴムを強く叩いたような感触から、手応えを感じた。
武井さんの顔が露骨に歪んだ。痛みと驚きで混じった表情だ。
無理もない。ワンツーからの下段回し蹴り(ローキック)というコンビネーション攻撃を彼は初めて受けるのだから。
恐らく、武井さんの頭は真っ白に違いない。
私はそこを逃さないー。
とにかくワンツーローで攻める!
面白いように私のワンツーはヒットする。
特に下段回し蹴りは「相手の脚を壊している」という嫌な感触すら感じる。
私はこのまま攻めれば勝機が来る!と楽観的に見ていた。
この時、私はおごっていた。試合運びがあまりにも上手くいき過ぎた為に。
武井壮。
彼がなぜ「百獣の王」と呼ばれるのか、その由来を私はすっかり失念していた。
それまで私の攻撃をただただ耐えるのみだった彼の目が、獣の目に切り替わるー。
続く。